演題

PJ3-3

後期高齢者膵頭十二指腸切除術における周術期成績の検討

[演者] 森末 遼:1
[著者] 杉本 元一:1, 後藤田 直人:1, 高橋 進一郎:1, 小西 大:1
1:国立がん研究センター東病院 肝胆膵外科

【目的】75歳以上の後期高齢者に対する膵頭十二指腸切除術(PD)において特徴的な周術期合併症について明らかにする.
【対象と方法】2014年1月から2015年12月までに当院でPDを施行した症例を対象とし,R2切除,肝葉同時切除や残膵切除は対象外とした.75歳以上の後期高齢者群(E群:34例)と75歳未満の非後期高齢者群(Y群:89例)を後方視的に比較検討した.
【結果】E群 vs Y群で,男性(62% vs 69%).術前Performance status(0/1/2):29/2/3 vs 88/1/0.Charlson comorbidity index 2.8 vs 2.6と差を認めなかったが, ASA-PS≧2の割合はE群で高かった(94% vs 69%, P=0.002).対象疾患の割合は,膵癌(35% vs 46%),遠位胆管癌(32% vs 22%),十二指腸乳頭部癌(9% vs 9%),膵管内乳頭状粘液産生腫瘍(15% vs 12%)であった.術式は亜全胃温存膵頭十二指腸切除を基本とし,上腸間膜動脈周囲神経叢郭清(41% vs 60%)や門脈合併切除(18% vs 9%)の頻度は変わらなかった.手術時間中央値(386分 vs 405分),出血量中央値(665mL vs 535mL)で差を認めなかった.Soft pancreasの割合(62% vs 54%)に差を認めなかった.術後短期成績では, E群においてClavien-Dindo分類Grade2以上の合併症(91% vs 65%, p=0.003),肺炎(11% vs 0%, p=0.005),術後せん妄(26% vs 4%, p=0.001)の発生率が高かったが,ISGPF分類GradeB以上の膵液瘻(26% vs 24%),ISGPS分類GradeB以上の胃内容排泄遅延(3% vs 3%)や創感染(29% vs 29%)では有意差を認めなかった.Y群で敗血症による在院死を1例認めた.術後在院日数中央値は26日 vs 31日と有意差を認めなかった.
【結語】後期高齢者に対するPDでは肺炎やせん妄などの合併症の発生率が有意に高かったが,若年者と比較し安全に周術期管理を行うことができていた.PD適応について慎重に選別された症例における検討であり,今後さらなる合併症低下への努力も必要と考えられる.
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