演題

PJ2-5

膵癌術前化学療法および手術前後における栄養評価

[演者] 関根 慎一:1
[著者] 渡辺 徹:1, 渋谷 和人:1, 橋本 伊佐也:1, 北條 荘三:1, 吉岡 伊作:1, 澤田 成朗:1, 奥村 知之:1, 長田 拓哉:1
1:富山大学大学院 消化器・腫瘍・総合外科学

(緒言)癌患者の栄養管理は基盤となる支持療法であり,手術や化学療法を含む集学的治療は栄養障害を引き起こし,顕著な場合は治療へのコンプライアンス低下につながる.治療前後の栄養状態の評価は,術後合併症の低減に有用であり,外科領域の患者において予後と関係が深い指標(血清アルブミン値,総リンパ球数,BMIなど)を用いて,リスクを評価する栄養指数が様々提唱されている.
(対象・方法)
2012年から2015年までに当院にて膵癌術前化学療法の後,膵切除術を施行した症例のうち,周術期データを追跡できた9例を対象とした(59-79歳;平均67.1歳).術前化学療法はGEM+S-1: 8症例,S-1:1症例であった.術式はPpPD:6症例,DP:3症例であった.術前補助化学療法前(=pre NAC),手術前(=pre Ope),術後1ヵ月(=PO1M),術後3ヵ月 (=PO3M),術後6ヵ月(=PO6M)における血清アルブミン値(Alb),リンパ球数(Lymph),総コレステロール値(TC)を算出した.膵癌集学的治療における栄養状態の推移は,PNIおよびCONUTを用いて評価した.
(結果)
(pre NAC):(pre Ope): (PO1M): (PO3M):(PO6M)では,Alb=3.53:3.54:3.17:3.6:3.62.Lymph=1593:1581:1628:1396:1360.TC=167.4:160.4:158.2:151.8:152.9であった.PNI=43.3:43.4:38.8:43.0:43.1.周術期のCONUTを比較すると9例中5例にCONUT scoreの増加(=栄養状態の悪化)を認めた.(術前後の平均値は3.01:4.33).再発の有無による栄養状態の悪化は認められなかった.
(結語)
術前術後化学療法による栄養状態の悪化は認めなかったが,手術後は9例中5例にPNI低下やCONUTの増加(=栄養状態の悪化)を認めた.周術期の栄養状態悪化を早期に改善させ,化学療法を継続することが,膵癌治療において重要と考えられた.
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