演題

PJ2-4

チーム医療による膵頭十二指腸切除術の周術期リハビリテーションの有用性

[演者] 橋本 和彦:1
[著者] 安達 慧:1, 高 正浩:1, 野中 亮児:1, 山本 和義:1, 藤江 裕二郎:1, 藤田 正一郎:1, 今岡 真義:1, 大西 直:1
1:NTT西日本大阪病院 外科

【はじめに】膵頭十二指腸切除術は高度侵襲手術であり,術後回復促進には適切な周術期管理が重要である.当院での膵頭十二指腸切除術症例における周術期包括的リハビリテーション(以下周術期リハ)の現状と介入効果について報告する.
【対象と方法】2014年1月より,当院では, 膵頭十二指腸切除術症例に対して,口腔外科による口腔ケア,リハビリテーション科による運動療法,栄養科による栄養指導などチーム医療による周術期リハを術前から導入している.とくにリハビリテーション科により,術前は予防的リハとして評価・訓練を行い,術後翌日から回復的リハを再開している.周術期リハ導入後の2014年1月~2016年12月に当院で膵頭十二指腸切除術を施行した11例を対象とした(周術期リハ導入群).周術期リハ導入前の2013年1月~12月の膵頭十二指腸切除術症例8例を対照群とし, 周術期リハ導入群と術後在院日数を比較検討した. 周術期リハ導入群は,男性7例,女性4例,年齢中央値65(54-77)歳,疾患は,膵頭部癌7例,十二指腸乳頭部癌2例,その他2例であった.再建術式は,全例SSPPDⅡA-1で施行し,膵空腸吻合は2015年1月からBlumgart変法を導入した.
【結果】周術期リハ導入群の全例で術後翌日から離床,歩行開始,周術期リハを再開することができた. 周術期リハ導入群の術後合併症は, 膵液漏3例(GradeA 2例, GradeB 1例)認めた.Clavien-Dindo分類Grade Ⅲb以上の合併症は認めなかった. 術後在院日数は,周術期リハ導入群22日(15-58),対照群40日(34-48)で,周術期リハ導入群が有意に短縮していた(p=0.003).
【まとめ】当院においてチーム医療による周術期リハを導入以降, 膵頭十二指腸切除術の短期治療成績は良好であった.また,周術期リハ導入後,在院日数が有意に短縮されており,周術期リハ導入の介入効果と考えられた.とくに高齢者症例では,チーム医療による適切な周術期管理を行うことが,術後の早期回復,早期退院に有用と考えている.当院では,チーム医療としての周術期リハは認知されており,現在,全身麻酔下の待機的外科手術症例の全例で周術期リハを施行している.長期的な栄養管理や運動リハビリテーションを外来で継続して行っていくことが今後の課題である.
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