演題

PJ2-1

膵頭十二指腸切除術におけるSSI発生因子の検討

[演者] 瀬上 航平:1
[著者] 小林 慎二郎:1, 勝又 健太:1, 小野 龍宜:1, 星野 博之:1, 片山 真史:1, 小泉 哲:1, 大坪 毅人:1
1:聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科

【緒言】膵頭十二指腸切除術(PD)は高侵襲手術であり,合併症の発生率の高い手術である.当院でのPDにおけるSSI対策とその成績について報告する.
【対象と方法】2005年4月~2016年11月までにPDを施行した300例が対象. SSIが発生した症例(55例)と非発生症例(245例)に分けて患者背景,血液栄養指標,BMI,糖尿病の有無,術前減黄処置の有無などの術前因子,手術時間や出血量などの手術因子,術後抗菌薬の投与日数について検討した.
また,膵瘻や胆汁瘻合併例では感染性合併症(特にSSI)を発症しやすいため,それらを除外した対象でも検討した.
【SSI対策】ドレーンの早期抜去や周術期絶飲食の短縮などのERASの徹底,術中腹腔内大量洗浄(10000ml以上),皮膚を真皮縫合で閉鎖する.これに加え,2012年から予防的抗菌薬は手術日のみの投与としている.
【結果】
平均年齢はSSI群で69.2歳,非SSI群で67.6歳(P=0.44)だった.BMIはSSI群で22.5,非SSI群で21.5(P=0.44)だった.
術前減黄処置の有無に関してはSSI群で67%,非SSI群で56.3%(P=0.136)だった.
手術時間の平均はSSI群で485.4分,非SSI群で444.9分(P=0.24)
出血量の平均SSI群で1124.1㎖,非SSI群で1132.3㎖(P=0.172)だった.
SSI発生群と非発生群で有意差があった因子は,腹腔内大量洗浄(37% v.s70 %,P<0.001), 抗菌薬投与期間(24% v.s 44%, P=0.006),ERASの介入(49% v.s75%, P<0.001)の3項目だった. 膵瘻や胆汁瘻合併例を除外すると,腹腔内大量洗浄(37% v.s68 %,P<0.001)のみが有意差を認められた【考察・結語】手術中の腹腔内大量洗浄やERASの介入はSSI予防効果が認められると考えられ,特に腹腔内大量洗浄はSSI発症予防に有用であると考えられた.
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