演題

PI3-6

膵癌術後膵液瘻の予後への影響についての検討

[演者] 内海 方嗣:1
[著者] 青木 秀樹:1, 虫明 泰:1, 國友 知義:1, 安原 功:1, 谷口 文崇:1, 荒田 尚:1, 勝田 浩:1, 田中屋 宏爾:1, 竹内 仁司:1
1:独立行政法人国立病院機構 岩国医療センター 外科

【はじめに】膵液瘻は膵切除後の代表的な合併症の一つである.大腸癌では縫合不全が予後不良因子であるとされているが,膵液瘻は予後には影響しないとする報告が散見される.近年,補助化学療法の変遷などから状況は変化しつつある.今回われわれは比較的近年の手術症例における膵液瘻と予後の関係を解析した.また予後に影響する危険因子の解析も行った.
【対象と方法】2008年から2016年11月の期間において,当院で膵癌の診断で膵切除を施行した52症例を対象とした.膵液瘻を含めた術前,術後の臨床病理学的因子と予後(無再発生存期間RFSと全生存期間OS)との関係をretrospectiveに解析した.
【結果】膵癌52症例の背景は男女比27/25,年齢70歳(40-88),腫瘍部位はPh38例,Pb or Pt 14例であった.施行術式は膵頭十二指腸切除術37例,膵体尾部切除13例,膵全摘2例でありステージはI/ III/ Iva/ IVb:6/19/21/5であった.術後膵液瘻は13例(25.5%)で生じ,Grade別では A/ B/C それぞれ7/5/1例(13.7/9.8/2.0%)であった. 3年,5年RFS / OSはそれぞれ40.0% / 44.0%, 35.7% / 28.9%であった.膵液瘻は予後(RFS or OS)への影響は認めなかった.その他,術前or術後補助化学療法の有無も予後への影響は認めなかった.T3以上,輸血,R1,2で有意なOSの低下を認めた.また,N1で有意にRFSの低下を認めた(log-rank test p<0.05).
【結語】今回の検討では膵液瘻への予後への影響は認めなかった.その他の予後へ影響を与えた因子は癌の進行度に関係しており妥当な結果であった.症例数が少なく解析には限界があるため,さらなる検討が必要である.
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