演題

PI3-4

膵癌術後早期再発予測因子の検討

[演者] 森田 剛文:1
[著者] 坂口 孝宣:1, 黎 明宣:1, 古橋 暁:1, 木内 亮太:1, 武田 真:1, 平出 貴乗:1, 柴崎 泰:1, 菊池 寛利:1, 今野 弘之:1
1:浜松医科大学医学部 外科学第二

【背景】膵癌は予後不良な疾患であり,治療成績の向上には集学的治療が必要である.術後補助化学療法を積極的に導入することで,生存期間は以前よりも延長してきていると思われる.一方で,補助化学療法施工中または導入前の極早期に再発を来す症例も存在し,その予後は非常に悪い.【目的】当科で経験した膵癌切除症例を解析し,早期再発例の臨床病理学的特徴を明らかにするとともに,新たな治療戦略を検討する.【対象】2005~2015年までに当科で治療を受けた膵癌患者145例(Stage0 3例,StageIA 8例,StageIB 1例StageIIA 31例,StageIIB 51例,StageIII 19例, StageIV 32例)のうち,外科的切除を行ったものは70例だった.その内,Stage0,I症例や術前化学療法施行例を除外した57例を解析対象とした.術後6ヶ月以内に再発した症例を早期再発群(E群),術後6ヶ月以内に再発を認めなかった症例を非早期再発群(NE群)とした.【結果】平均年齢は69歳.男性28例,女性29例だった.E群の生存期間中央値は11ヶ月で,NE群の46ヶ月に比較して優位に悪かった.E群とNE群の臨床病理学的因子を比較したところ,術前CA19-9,術前Span-1,術後CA19-9はE群で有意に高かった.また,E群では神経周囲浸潤(PNI)高度陽性例,リンパ節転移陽性が多く,Stageも進んだ症例が多かった.術前CA19-9 88 U/mlをカットオフ値とすると早期再発予測の感度は69%,特異度65%となり,術前Span-1 85 U/mlをカットオフ値とすると感度58%,特異度72%となった.多変量解析を行うと,術前CA19-9とSpan-1がともに高値の症例は早期再発のリスク因子であることが判明した.
【考察】術後早期再発群の予後は非常に不良だった.術前CA19-9とSpan-1がともに高値であることは,早期再発のリスク因子と考えられた.これらの症例に関しては,画像診断上では切除可能と判断されても,術前化学(放射線)療法の併用や,術後補助化学療法のレジメンを強化するなどの対策が必要と考えられた.
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