演題

PI3-1

術後再発膵癌の予後因子についての検討

[演者] 三原 規奨:1
[著者] 杉浦 禎一:2, 中野 容:3, 北郷 実:3, 板野 理:3, 上坂 克彦:2, 北川 雄光:3
1:川崎市立川崎病院 外科, 2:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科, 3:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

【背景】 補助化学療法の普及に伴い,膵癌術後長期生存例の報告を散見する.一方で,根治術後の再発膵癌の予後因子を検討した報告は少ない.
【目的】 術後再発膵癌の予後因子について検討する.
【対象と方法】 2002年から2014年までに静岡がんセンターおよび慶應義塾大学病院で施行した膵癌根治切除490例の内,再発を認めた345例(71%)を対象とした.再発後の生存期間と臨床病理学的因子(年齢,性別,術前CA19-9,組織学的所見,UICCに基づくTNM分類,補助化学療法,再発までの期間,初回再発部位)の関連について検討した.
【結果】 再発例全体の再発後生存期間中央値(MST)は8か月で,1年および3年生存率は,37.4%,6.6%であった.再発部位ごとのMSTと1年および3年生存率は,肺のみ(30例):19ヶ月,74.6%,15.2%,局所およびリンパ節のみ(84例):14ヶ月,53.7%,11.8%,肝のみ(88例):9ヶ月,30.2%,4.7%,腹膜播種のみ(49例):6ヶ月,24.0%,8.0%,多臓器(94例):6ヶ月,24.3%,5.1%であった.肺転移再発群は,そのほかの群と比べて有意に予後良好であった(MST 19 vs.8ヶ月,p<0.01).他に単変量解析では,再発までの期間が1年未満か以上か(MST 7 vs.13ヶ月,p<0.01),補助化学療法の有無(MST 10 vs.8ヶ月,p=0.025),組織型の分化度が高分化かどうか(MST 11 vs.8ヶ月,p=0.035),CA19-9値 37未満か以上か(MST 9 vs.8ヶ月,p=0.047)が予後に影響する因子であった.多変量解析では,再発までの期間が1年未満(HR 1.43,p<0.01),初回再発部位が肺以外(HR 1.98,p<0.01)と,CA19-9>37(HR 1.52,p<0.01)が独立した予後不良因子であった.
【結語】膵癌術後再発例においては,再発までの期間,再発部位,術前のCA19-9値が再発後の予後に大きく影響を与える.
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