演題

PI2-7

術前化学放射線療法を施行した膵頭部癌4症例の治療成績

[演者] 的野 る美:1
[著者] 相場 崇行:1, 倉光 正太郎:1, 河野 浩幸:1, 梅田 健二:1, 田原 光一郎:1, 穴井 秀明:1
1:大分医療センター 外科

【はじめに】膵臓癌は早期発見が困難な上に進行が早く,きわめて予後が悪いが,Stage IVa症例でも根治手術が期待できるものは手術が勧められる.(膵癌診療ガイドライン).当科では2015年2月よりボーダーライン膵頭部癌と判定された症例に対して,術前化学放射線療法(CRT)を施行する方針とし,現在までに4例を経験したので短期成績を含め報告する.【方法】文献より化学療法:S-1(80mg/m2,2週投与1週休薬,2クール)と平行して放射線療法:50.4Gy(1.8Gy×28Fr)を選択した.【結果】4例中2例に手術が施行された.症例1は81歳男性.門脈および横行結腸間膜への浸潤を疑った.術前CRTを施行し,縮小を認め,膵頭十二指腸切除術および横行結腸間膜,門脈合併切除を施行.術後1年半無再発生存中.症例2は77歳男性.門脈浸潤が疑われ,術前CRTを施行したが,施行後のCTで多発肝転移を認めた.化学療法を継続したが,効果なく,初診より1年で死亡.症例3は75歳女性.門脈浸潤を認め,術前CRTを施行したが,縮小を認めず,レジメンをGEMに変更し,継続中である.症例4は65歳男性.下大静脈浸潤を認めたため,術前CRTを施行したが縮小を得られず,GEM+nab-PTXを5クール行ったところで縮小を認めた.膵頭十二指腸切除術および下大静脈合併切除施行し,術後2ヶ月経過.【考察】膵癌診療ガイドラインでは術前治療(①化学放射線療法,②化学療法)の有用性を支持する論文は増加傾向だが長期遠隔成績を向上させるか否かは,今後の臨床試験や研究の蓄積によって明らかにされるべきである,と示されている.症例1や4のようにボーダーラインと判定された症例が切除できたことを考えると,術前CRTは有用であろうと思われた.また,症例2は例え術前CRTなしに切除できたとしてもすぐに再発したと考えられ,不必要な手術を避けられたと考えラれる.さらに症例4はGEM+nab-PTXの術前治療としての有用性を示させるものと考えられた.【まとめ】今回,術前CRTを経た4例中,根治切除しえた膵頭部癌の2例を経験した.今後も症例を重ね,長期成績の経過を追いたい.
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