演題

腹腔鏡下胃全摘における定型化された郭清・再建手技

[演者] 木下 敬弘:1
[著者] 徳永 正則:1, 海藤 章郎:1, 渡邊 将広:1, 杉田 静紀:1, 登内 晶子:1, 阿部 郁:1, 佐藤 玲央:1, 砂川 秀樹:1
1:国立がん研究センター東病院 胃外科

腹腔鏡下胃全摘は遠位脾動脈周囲~脾門部リンパ節郭清(No.11d/No.10郭清),高位吻合を含めた食道空腸再建の難易度が高く,広く普及するには至っていない.当施設における現時点での定型化された手技を供覧する.
No11d/10郭清: この操作はドライな術野を保持するため手術序盤,十二指腸切離前に行う.視野確保のため体位は頭高位・左高位とする.また複雑かつ個体差の大きい解剖を理解するため,術前の3D-CTは必須としている.脾温存の場合,基本的に3ステップで行うと理解しており,1.脾弯曲を軽度授動した後,脾門部を尾側から確認し下枝から分岐する左胃大網動静脈を根部で処理,2.脾動脈本幹を露出し中枢から脾門に向かって郭清を行い,短胃動静脈を切離,3.上枝あるいは上極枝に沿った郭清,の順で行う.腫瘍が大弯線にかかっていなければNo.10はサンプリング程度の郭清とする.脾摘を行う場合もほぼ同様であるが,脾上極授動の前に食道を切離し左横隔膜下の視野を確保する.
再建:食道空腸吻合は高位吻合にも対応可能であることを重視しリニアステープラーによるoverlap法を標準としている.食道は前後方向に切離し空腸を後壁側に吻合するようにしている.空腸脚は肥満症例を除いては体外での作製を基本としており,辺縁動静脈は吻合部への緊張を軽減するため全例で切離している.高位吻合の場合は横隔膜脚を前左右側で切離し食道裂孔を開大して視野を確保するようにしている.またさらに吻合部への緊張を解除するため,空腸動静脈の枝を着脱型血管鉗子でクランプし拳上グラフトの血流・静脈還流を確認した後,切離するようにしている.
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