演題

PI2-3

Borderline resectable膵癌に対する治療成績

[演者] 渡辺 伸元:1
[著者] 杉浦 禎一:1, 岡村 行泰:1, 伊藤 貴明:1, 山本 有祐:1, 蘆田 良:1, 上坂 克彦:1
1:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科

【目的】2012年4月より当科ではBorderline resectable膵癌に対して術前治療を導入した.当科で経験した Borderline resectable 膵癌に対する治療成績を検討する.
【対象】2012年4月から2016年4月までに当科で経験したBorderline resectable 膵癌24例(膵頭部21例,膵体部3例)を対象とした.年齢中央値は66.5歳(47-79歳),男性16例,女性8例であった.Borderline resectable の根拠は,22例で180度以下の動脈浸潤あり(BR-A),2例で両側性の門脈-上腸間膜静脈浸潤あり(BR-P)と診断した.術前治療は化学放射線療法(S-1+RT)22例,化学療法2例(FOLFIRINOX 1例,Gemcitabine+nab-Paclitaxel 1例)を施行した.
【結果】術前治療後の効果判定はPR1例,SD22例,PD1例であった.PDとなった1例を除く23例に対して開腹手術を行った.18例で切除を完遂し(切除率73%),残りの5例では,術中所見で肝転移(1例),大動脈周囲リンパ節転移(1例),動脈周囲浸潤(3例)を認めたために非切除とした.切除術式は膵頭十二指腸切除15例(うち門脈合併切除13例),膵体尾部切除3例(うち門脈合併切除1例)であった.R0切除は16例,R1切除は2例であった.Clavien-Dindo grade3以上の合併症は膵液瘻(ISGPF grade B)をおこした2例(11%)であった.術後在院期間中央値は16.5日(8-54日),在院死亡は認めなかった.術後補助化学療法は15例に施行可能であった.観察期間中央値は19.4か月.非切除を含めた全24例の1年生存率は77%,3年生存率は62%であった.切除症例18例に限って検討すると,観察期間中5例に再発を認め,再発部位は肝4例,腹膜2例,肺1例,局所2例(重複含む)であった.1年生存率83%,3年生存率76%,1年無再発生存率77%,3年無再発生存率53%であった.
【結語】Borderline resectable 膵癌に対する術前治療後の膵切除は安全に施行でき,22例中14例(64%)でR0切除が得られた.術後生存率は良好な成績と評価できるが,観察期間が短いため今後さらなる症例の集積と長期の観察が必要である.
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