演題

PI2-1

腹腔洗浄細胞診陽性症例に対するアブラキサン,ゲムシタビン併用術後補助化学療法の有効性と安全性の検討

[演者] 和田 渉:1
[著者] 須賀 邦彦:1, 萩原 慶:1, 徳田 尚子:1, 鈴木 茂正:1, 藍原 龍介:1, 松村 直樹:1, 細内 康男:1, 西田 保二:1
1:済生会前橋病院 外科

【背景】切除膵癌における腹腔洗浄細胞診陽性(CY1)の意義については,本邦2013年膵癌診療ガイドラインでは未だ確立されていない.またNCCNガイドラインでは,CY1は遠隔転移として取り扱われている.しかし,CY1は肺肝転移等の遠隔転移とは,生物学的機序,臨床的意義が異なるとの見解もあり,CY1症例に対する根治術の意義も明らかになっていない.一方,CY1症例に対する根治術,またCY1症例に対する術後補助化学療法は生命予後を延長するとの報告も散見される.
【目的】腹腔洗浄細胞診(CY)陽性症例に対するnP+G術後補助化学療法の有効性と安全性の検討した.
【方法】2012年から2016年までの5年間に当院で病理組織学的に診断し得た膵悪性腫瘍160症例を対象とした.
【成績】根治術を施行した膵悪性腫瘍症例160例中,洗浄細胞診施行症例は107例(66.9%).洗浄細胞診陰性症例(CY0):98症例(91.6%),洗浄細胞診陽性症例(CY1):9症例(8.4%)であった.術後補助化学療法を7症例に施行した.レジメンンは,S-1:2症例,GS:1症例,nP+G:4症例であった.病理組織学的検索:前方浸潤は,nP+G: 4症例,その他:4症例に認められた.後方浸潤は,nP+G:1症例,その他:3症例に認められた.リンパ節転移は,nP+G:3症例,その他:4症例に認められた.進行度(Stage)は,nP+G:ⅡB(4症例),その他:ⅡA(1例),ⅡB(3症例),Ⅲ(1症例) であった.死亡症例におけるMSTは,nP+G:13.5か月,その他:10.2か月であった.腫瘍マーカー・doubling timeは,CEA, nP+G:7.9か月,その他:4.9か月であった.CA19-9,nP+G:8.8か月,その他:5.1か月であった.腹水が確認されるまでの期間は,nP+G:6.4か月,その他:5.6か月であった.nP+G症例におけるグレード3有害事象は,好中球減少:4症例(100%), 発熱性好中球減少症:2症例(50%),貧血:1症例(25%),腹痛:1症例(25%)であった.グレード4以上の有害事象は認められなかった.【結論】腹腔洗浄細胞診陽性(CY1)症例に対し,nP+G術後補助化学療法は安全に施行され,また有効性が示唆された.
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