演題

PI1-7

膵癌術前化学療法の至適治療期間に関する検討

[演者] 和田 慶太:1
[著者] 佐野 圭二:1, 三浦 文彦:1, 渋谷 誠:1, 池田 豊:1, 貝沼 雅彦:1, 川村 幸代:1, 峯崎 俊亮:1, 東海林 琢男:2, 近藤 福雄:1,2
1:帝京大学附属病院 外科, 2:帝京大学附属病院

【背景】膵癌根治切除後の再発形式は遠隔転移が多く,不顕性転移の制御が膵癌治療には重要であることは論を待たない.術後補助化学療法は,術後回復遅延による施行不能症例が問題となるため,術前療法(NAC/NACRT)が有望な治療戦略として期待されているものの,その至適治療期間,治療内容に関するデータは不足している.
【方法】2011年以降に根治目的で切除した通常型膵癌89例(うち術前治療45例)を対象とした.術前治療期期間と病理学的抗腫瘍効果(残存率),生存との関係について検討した.
【結果】術前治療を施行した45例の内訳は,NAC 39例,NACRT 6例であった.NAC 39例のうち17例はPrep-01/02臨床試験(GSx2コース)症例(A群),18例は非Prep症例(B群)でり,A群にR-BR症例,B群にBR-UR症例が多い傾向であり,術前治療期間は1.7か月,4.5か月とB群で有意に長かった.術前治療期間と組織学的残存割合の間には負の相関関係(r=-0.774)を認め,組織学的残存割合40%未満症例の予後は良好であった.組織学的残存割合40%未満と治療期間のROC曲線では,カットオフを3.3か月とするとAUC=0.889, 感度87.5%,特異度88.9%と良好であり,術前治療3か月未満 vs 3か月以上の比較では後者が有意に予後良好であった(p=0.008).
【結語】膵癌に対するNAC-GS療法は3か月以上行うことで予後延長の可能性があり,少なくとも4コース以上の治療期間が必要と考えられた.
詳細検索