演題

PI1-3

StageⅢ/Ⅳ膵癌に対する根治切除後の再発形式の検討結果に基づく術前化学放射線療法導入とその治療成績

[演者] 山田 晃正:1
[著者] 板倉 弘明:1, 高山 碩俊:1, 津田 雄二郎:1, 上田 正射:1, 中島 慎介:1, 太田 勝也:1, 足立 真一:1, 遠藤 俊治:1, 池永 雅一:1
1:市立東大阪医療センター 消化器外科

【緒言】StageⅢ/Ⅳ膵癌は,唯一の根治治療である切除を行っても極めて予後不良である.我々は,中でもDPM(+)症例やR1切除となった症例の予後が有意に不良であることや,Gemcitabine(GEM)を用いた術後補助化学療法に一定の予後延長効果があることを報告してきた(日本外科学会,2016).【目的】当院における進行膵癌の切除成績/再発形式を検討することと,その結果に基づいて導入した術前化学放射線療法(NAC-RT)の忍容性と治療成績について報告する.【対象/方法】2002年1月~2016年10月に肉眼的根治切除(R0/R1)が行われたStageⅢ/Ⅳの浸潤(通常)型膵管癌41例を対象とし,病理学的因子別の予後および再発形式の検討を行った.また,2013年から導入したNAC-RTの治療成績を検討した.【結果/考察】全例の1/3/5年生存率は89.8/48.5/28.4(%)であった.切除単独例(n=32)における予後不良因子は,リンパ節転移陽性例(MST:20.1ヶ月/陰性例55.0ヶ月),DPM陽性例(MST:18.7ヶ月/陰性例65.7ヶ月),R1症例(MST:20.1ヶ月/R0症例65.7ヶ月)であった.R0症例(n=19)では3年以上の無再発生存症例を8例(うち4例は5年超)認め,再発した11例中1年以内の早期再発が8例(73%)(遠隔:局所:播種=4:2:2)であった.一方,R1症例(n=13)では3年以上の無再発例を認めず,再発した12例中1年以内の早期再発は8例(67%)(遠隔:局所:播種=3:2:3)であった.以上より,DPMに代表されるような,外科的手法のみで克服困難と考えられるミクロレベルの癌遺残や潜在的遠隔転移に対して,2013年からNAC-RT(50Gy/GEM;1000mg/m2,3投1休)を導入し,現在まで9例に実施した.照射は全例完遂.GEMのDose intensityは平均86.2%.減量事由となったAEはWBC減少:PLT減少:胆道感染=3:1:1であった.術後偶発症としては門脈血栓症と膵液漏を各1例ずつ認めた.組織学的効果(Evans分類準拠)はGradeⅠb:Ⅱ:Ⅲ=1:7:1と比較的良好で,R0率も88.9%(8/9)と高率であったが,9例中3例で遠隔転移再発(肝:肺=2:1)による死亡を認めた.【結語】市中病院においてもNAC-RTの忍容性は確認され,局所再発制御に寄与する可能性は示唆されたが,早期に遠隔転移を来す症例の選別や転移再発の制御が今後の課題であると思われた.
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