演題

PI1-1

Borderline resectable膵癌に対する進展方向による手術成績の検討およびunresectable膵癌の治療成績

[演者] 青笹 季文:1
[著者] 西川 誠:1, 星川 真有美:1, 野呂 拓史:1, 平木 修一:1, 神藤 英二:1, 辻本 広紀:1, 上野 秀樹:1, 長谷 和生:1, 山本 順司:1
1:防衛医科大学校医学部 外科学

【目的】膵癌取扱い規約第7版における切除可能性分類のBR-A膵癌をSMA方向へ進展するBR-SMA膵癌とCHAもしくはCeA方向へ進展するBR-C膵癌とに分けてその手術成績について検討,またUR膵癌に対する術前化学療法(NAC)の治療成績について検討した.
【検討1】対象は2007-2016年に膵切除を施行した膵癌176症例,占居部位はPh 117例(66%) Phb 16例(9%) Pbt 43例(24%),切除可能性はR 149例(85%) BR 21例(12%) UR 6例(3%)であった.R膵癌の1,3,5年生存率は78%,41%,23%とBR膵癌の75%,47%,53%と有意差を認めなかった.BR膵癌21例の内訳はBR-PV 2例(10%) BR-SMA 6例(29%) BR-C 12例(57%) BR-SMA/C 1例(5%)であり,BR-SMA膵癌の占居部位は全例PhでNAC(+),術式は膵頭十二指腸切除(PD),R0率67%,1,3年生存率は60%,30%と非常に不良であった.一方BR-C膵癌の占居部位はPh3例Phb 2例Pbt 7例で全例NAC(-),術式はPD 3例(うちCHA合併切除2例),腹腔動脈合併膵全摘(TP-CAR)2例,腹腔動脈合併尾側膵切除(DP-CAR)7例,R0率83%,1,3年生存率は83%,69%であり,BR-C膵癌の生存率はBR-SMA膵癌より良好である傾向を認めR膵癌とほぼ同等であった.
【検討2】2014-2016年に当院を受診した全膵癌症例101例を対象として検討を行った.占居部位はPh 46例(46%) Phb 6例(6%) Pbt 49例(49%),切除可能性はR 43例(43%) BR 9例(9%) UR 49例(49%),BR膵癌の内訳はBR-PV 2例(22%) BR-SMA 4例(44%) BR-C 2例(22%),BR-SMA/C 1例(11%),UR膵癌の内訳はUR-LA 21例(43%) UR-M 28例(57%)であった.切除症例は56例(55%),内訳はR 41例(73%) BR 9例(16%) UR 6例(11%),切除率は各々95,100,12%であった.BR-SMA膵癌は全例NAC(+),術式はPD,R0率50%,1年生存率33%,UR膵癌は全例UR-LAでNAC(+),術式はPD 4例,DP-CAR 1例,TP-CAR 1例,R0率83%,1年生存率は100%であった.なおUR膵癌非切除例の1年生存率は44%であった.
【結語】BR-SMA膵癌はBR-C膵癌とは異なる治療戦略が必要である可能性が示唆された.またUR膵癌に対するNACはchemo selectionとしての意義が強い.
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