演題

高齢者胃癌手術後の予後予測におけるCONUT scoreの有用性

[演者] 鈴木 知志:1
[著者] 金治 新悟:1, 松田 佳子:1, 山本 将士:1, 山下 公大:1, 押切 太郎:1, 松田 武:1, 角 泰雄:1, 中村 哲:1, 掛地 吉弘:1
1:神戸大学大学院 食道胃腸外科学

【背景】近年,術前の栄養状態が様々な癌腫で予後を反映することが示されている.一方,社会の急速な高齢化に伴い,高齢者の胃癌は増加しているが,予後を予測する因子は必ずしも明らかではない.【目的】高齢者胃癌の術前の栄養状態をControlling nutritional status (CONUT) scoreを用いて評価し,予後との相関を明らかにする.【対象と方法】2000年から2015年の間に治癒切除を施行した75歳以上の高齢者の初発胃癌症例204例を対象とした.CONUT scoreは血清アルブミン値,総コレステロール値,末梢血総リンパ球数をスコア化して算出し,臨床病理学因子,術後合併症,予後との相関を解析した.【結果】CONUT score の分布は0~11で,ROC (Receiver operating characteristic) curveを用いて,cutoff値を4と設定し,CONUT score≦4群(171例)とCONUT score≧5群(33例)に分けて検討した.CONUT score≦4群と比較して,CONUT score≧5群は有意に高齢で(P=0.004),進行例が多く(P=0.033),D2郭清例が多い傾向にあった(P=0.072).Clavien-Dindo分類II以上の手術手技関連合併症の発生に差異はなかったが,手術手技非関連合併症は多い傾向にあった(P=0.073).予後との相関では,3年全生存率はCONUT score≧5群 48%はCONUT score≦4群 77%より有意に不良で(P<0.001),多変量解析で80歳以上,ASA score≧3,Stage III,全摘術,手術手技非関連合併症とともに独立した規定因子であった.また,5年疾患特異的生存率においても,CONUT score≧5群 68%はCONUT score≦4群 91%より有意に不良で(P<0.001),多変量解析で80歳以上,Stage IIIとともに強い相間を示した.【結語】CONUT scoreによる術前の栄養評価は,高齢者胃癌の治癒切除後の予後予測において有用であると考えられた.
詳細検索