演題

当院における80歳以上の高齢者進行胃癌に対する手術の検討

[演者] 松本 聖:1
[著者] 丁田 泰宏:1, 石田 道拡:1, 久保田 哲史:1, 三宅 聡一郎:1, 原野 雅生:1, 井谷 史嗣:1, 塩崎 滋弘:1, 岡島 正純:1
1:広島市立広島市民病院 外科

【緒言】社会の高齢化に伴い胃癌患者における高齢者の割合も増え, 80歳以上の高齢者胃癌に対する手術の機会も増加してきている.今回,80歳以上の高齢者胃癌患者に対する手術成績を検討し考察した.
【対象と方法】2006年1月から2014年12月までに当院で胃切除術を施行した80歳以上の高齢者進行胃癌103例を対象とし,臨床病理学的特徴と治療成績を後方視的に検討した.
【結果】年齢の中央値は83歳(80-91歳)で,男性68例,女性35例.術式の内訳は胃全摘術, 幽門側胃切除術, 噴門側胃切除術 = 42例, 58例, 3例であった.郭清度の内訳はD1, D1+, D2 = 15例, 11例, 77例であった.腫瘍遺残の内訳はR0, R1, R2 = 90例, 13例, 0例であった.Stageの内訳はⅠ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ = 15例, 34例, 39例, 15例であった.Stage毎の3年生存率はⅠ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ = 92%, 70%, 57%, 20%であり,5年生存率はⅠ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ = 66%, 52%, 29%, 20%であった.術後合併症はClavien-Dindo分類でGrade1, 2, 3, 4 = 7例, 18例, 5例, 1例であり,Grade2以上の合併症は24例(23.3%)に認めた.また,Grade3以上の重症合併症は6例(5.8%)に認め,創し開1例,腸管虚血・壊死1例,縫合不全1例,喀痰喀出困難1例,吻合部狭窄2例であった.平均術後在院日数は24.6日であった.術後補助療法施行した症例は20例であった.死因として原病死は28例,他病死は8例,不明は9例であった.在院死は認めなかった.他病死8例中6例が胃全摘術後であった.
【結語】80歳以上の高齢者であっても手術は比較的安全に施行でき,根治切除可能であれば胃切除術は有効的治療法であると考えられる.また,高齢者に対する胃全摘術は他病死を増加させる可能性が示唆された.
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