演題

プロカルシトニンを用いた胃癌術後合併症予測

[演者] 橋本 伊佐也:1
[著者] 奥村 知之:1, 出村 しおり:1, 渡辺 徹:1, 関根 慎一:1, 渋谷 和人:1, 北條 荘三:1, 吉岡 伊作:1, 澤田 成朗:1, 長田 拓哉:1
1:富山大学医学部 外科学(第二)

<はじめに>
プロカルシトニンは感染症,敗血症,侵襲のマーカーとして有用であるとの報告が散見されるが,消化器外科手術後の合併症との関連については詳細な検討がなされている報告は少ない.今回我々は胃癌手術後の合併症と血清プロカルシトニン値関連ついて検討した.
<対象>
2011年7月~2015年12月までに胃癌手術を施行され,術後に血清プロカルシトニン値を測定した124例を対象とした.
男:女;87:37年齢(中央値)71才(12-91才),臨床病期(胃癌取り扱い規約第14版に準ずる)はIa;46例,Ib;16例,IIa;13例,IIb;14例,IIIa;10例,IIIb,7例,IIIc;6例,Ⅳ;12例.
<方法>
術前,術後1.3.5.7病日のプロカルシトニン値,CRP,WBC及び,術前のPNI,GPS,Alb,Lymphocyte,TP,Che,T-cho,の測定を行った.術後合併症はCD分類のgrade2以上を呈した36例を対象とした.合併症の内訳は(呼吸器合併症12例,吻合縫合関連9例,胆道感染2例,膵関連,5例,泌尿器関連4例,心血管系4例(重複を含む))であった.合併症発現群36例と合併症非発現群88例との間で上記マーカーについて解析を行った.
<結果>
術前の各種栄養指標PNI,GPS,Alb,Lymphocyte,TP,Che,T-cho,に関しては低栄養群で合併症発現は高い傾向を示すも,Alb3.3mg/dl未満(;P値;0.025)症例でのみ有意に合併症発現率が高い傾向を示した.
第1病日,第3病日のプロカルシトニン値が0.5ng/ml以上を示した症例では有意に合併症発現率が高く(第1病日;P値;0.0064, 第3病日0.017),特に第1病日の値に関しては早期合併症予測に有用であると考えられた.
更に第1病日のWBC12000以上を示した症例においても,有意に合併症発現率が高く(第1病日;P値;0.018)WBCも同様の結果であった.
若干の文献的考察を含め報告する.
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