演題

切除不能進行胃癌に対する化学療法変遷に伴うconversion surgeryの意義

[演者] 石畝 亨:1
[著者] 持木 彫人:1, 福地 稔:1, 小倉 俊郎:1, 熊谷 洋一:1, 石橋 敬一郎:1, 石田 秀行:1
1:埼玉医科大学総合医療センター 消化管外科・一般外科

【目的】わが国において切除不能進行胃癌に対する標準的な一次化学療法はS-1/cisplatin(SP)療法であるが,2014年9月からSOX療法が実地臨床で使用可能となり,胃癌治療ガイドラインで一次治療の推奨度2となった.さらに,われわれは以前に切除不能進行胃癌に対する化学療法奏効後の手術(conversion surgery:CS)が生存期間の延長に寄与することを報告した.今回,切除不能進行胃癌に対してSOX療法群をSP療法群と比較しながらCSの意義について後方視的に検討した.【対象と方法】2005年5月から2016年11月までに一次治療としてSP療法 (55例)とSOX療法(19例)を施行した切除不能進行胃癌74例を対象として臨床病理学的因子,治療内容および生存期間を検討した.SOX療法の導入理由は高齢/腎障害/外来希望(重複あり):12/5/3例であった.【結果】全体で年齢中央値69歳,男性/女性:59/15例,PS 0/1/2:49/20/5例,占居部位でU/M/L:34/25/15例,肉眼型1/2/3/4:3/13/35/23例,組織型G1/G2/G3:10/20/44例,深達度T2/3/4a/4b:4/16/41/13例,リンパ節転移N0/1/2/3:12/10/19/33例,P0/1:55/19例,H0/1:46/28例,M0/1:30/44例,CY0/1:68/6例,非治癒切除因子1/2/3個:31/14/2例,治療効果CR/PR/SD/PD:1/24/18/31例でGrade3以上の有害事象は28例(38%)に認め,CSは21例(28%)に施行された.全体の生存期間(OS)の中央値は12か月,化学療法単独(CA)群とCS群のOSの中央値はそれぞれ10か月と37か月であり,CA群に比べてCS群で有意にOSが延長していた(P<0.01).多変量解析でOS延長に影響を与える因子としてCS (オッズ比: 0.13, 95%CI=0.05-0.31, P=0.01)が独立した因子として同定された.SP群とSOX群の2群間でPS,組織型,占居部位,肉眼型,組織型,深達度,リンパ節転移,P因子,H因子,M因子,CY因子,非治癒切除因子個数,サイクル数,治療効果およびGrade3以上の有害事象において有意差は認めなかったが,SP群に比べてSOX群で有意に年齢中央値(67 vs. 74歳: P<0.01)が高く,男性(P=0.01)が多かった.【考察】①今回の検討から,切除不能進行胃癌に対するCSはOS延長に寄与する可能性が示唆された.②SOX療法は高齢者にも忍容可能であり,CSも含めた新たな治療選択のひとつになり得ることが期待された.
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