演題

CTフラクタル解析による胃癌術前化学療法治療効果予測の試み

[演者] 渡邊 裕樹:1
[著者] 早野 康一:1, 大平 学:1, 成島 一夫:1, 今西 俊介:1, 藏田 能裕:1, 高橋 有未子:1, 澤田 尚人:1, 松原 久裕:1
1:千葉大学大学院 先端応用外科学

【はじめに】フラクタル図形とは自己相似性を持つ図形のことであり,フラクタル解析によって算出された値は図形の複雑さを表す指標となるが,これを用いて画像の不均一性を定量評価することが可能である.一方癌は本質的に構造上の不均性を有していることが知られており,これを定量評価する事で新しいバイオマーカーを開発できる可能性がある.
【目的】フラクタル解析をCT画像に応用して腫瘍の不均一性を定量評価し,胃癌の術前化学療法に対するバイオマーカーとなり得るか検討した.
【対象と方法】対象は初診時に切除可能進行胃癌の診断となり術前化学療法(NAC)としてDS療法(ドセタキセル+TS-1)を施行し手術を施行した21症例について検討した.方法はNACの前後の造影CTの門脈相を用い,腫瘍の最大断面の腫瘍のフラクタル次元を測定.フラクタル次元の測定はImage Jを用いた.検討項目はNAC前後のフラクタル次元,NAC前後でのフラクタル次元の変化率,およびCT上の腫瘍径の変化率を手術によって得られた標本で病理学的に計測された組織学的治療効果とt検定を用いて比較した.
【結果】組織学的治療効果の検討ではNAC前のFDで有意差を認め(p=0.03)治療効果が良好な症例では有為に治療前のFDが高かった.またNAC前後のFDの変化率も治療効果と有為な相関を認めた(p=0.003).NAC後のFDや腫瘍径の変化率は組織学的治療効果と有意な相関を認めなかった.
【まとめ】CT画像における腫瘍のフラクタル解析はNACの組織学的治療効果と有為な相関を認めており,胃癌の術前化学療法における有力なバイオマーカーとなる可能性が示された.
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