演題

切除可能進行胃癌に対するNAC-DCS後の切除成績

[演者] 三重野 浩朗:1
[著者] 山下 継史:1, 鷲尾 真理愛:1, 江間 玲:1, 森谷 宏光:1, 細田 桂:1, 東 瑞智:2, 田辺 聡:2, 小泉 和三郎:2, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科, 2:北里大学医学部 消化器内科

【目的】切除可能進行胃癌に対する術前DCS療法後に,胃切除術を施行した症例の安全性と中期治療成績を明らかにする.
【対象と方法】2009年1月から2016年7月の間に,術前DCSを行なった後に胃切除術を施行した62例を後ろ向きに検討した.術前化学療法の適応は,大型3型・4型・BulkyN2を含め,T3以深かつ旧規約N2や高度食道/十二指腸浸潤などの切除可能高度進行胃癌を対象としている.大動脈周囲リンパ節転移例は対象に含まれていない.DCS療法はDocetaxel:40mg/m2(day1), CDDP:60mg/m2(day1), S-1:80mg/m2(day1~14)を4週1コースとして行った.
【成績】全62例の男女比は40:22,年齢中央値は63歳(30-75)であった.NAC施行の因子は4型20例,大型3型18例,bulkyN2:9例,食道/十二指腸浸潤13例,その他5例(重複あり)であった.DCS施行回数中央値は4コースであった.術式は幽門側胃切除術13例,胃全摘術49例であり,55例(88.7%)にR0手術を施行しえた.組織学的奏効率(≧Grade1b)は53.4%であった.治療関連死を認めず,GradeIIIa以上の術後合併症は膵液漏5例(8.1%),再手術2例(出血1例・内ヘルニア2例)に認め,術後在院期間中央値は12日であった.観察期間中央値37.2ヶ月の時点で治療開始からの3年 PFSは60.8%,3年OSは73.7%であった.単変量でのOSに対する予後因子解析では,性別(女性)・肉眼型(type4)・ypT4・ypN3・R1/2が予後不良因子として抽出され,多変量解析ではypT4のみが独立予後不良因子として抽出された(p=0.009,HR 2.65(95%CI:1.28-5.53)).
【結論】切除可能高度進行胃癌に対するDCS後の切除は安全に行なわれており,比較的高いR0切除率を有していた.有望な治療ではあるが,予後改善が難しい対象も存在しており,今後は治療対象の選別が重要と考えられた.
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