演題

化学療法施行後に手術を行った高度進行胃癌の検討

[演者] 松田 佳子:1
[著者] 山本 将士:1, 金治 新悟:1, 山下 公大:1, 松田 武:1, 押切 太郎:1, 角 泰雄:1, 中村 哲:1, 鈴木 知志:1, 掛地 吉弘:1
1:神戸大学大学院 食道胃腸外科学

【背景】近年の化学療法の進歩により,高度進行胃癌の予後は改善しつつある.一方,切除可能な進行胃癌に対しても,臨床研究段階ではあるが術前化学療法の効果が期待されている.【目的】高度進行胃癌に対する術前化学療法の有用性を評価し,病理学的にCRと診断症例(pCR)で術後補助療法を省略できるか検討する.【対象と方法】2002年1月~2016年12月に当科で術前化学療法後に胃切除術を行った37例を対象とし,臨床病理学的因子と予後を検討した.【結果】対象となったのは男性26例,女性9例,平均年齢65.5歳(27-81歳).術前臨床診断はcStageⅡ/Ⅲ/Ⅳ=8/12/17だった.術前化学療法の実施レジメンはS-1+CDDPが19例と最も多く,Capecitabine+CDDP+Tmab 8例,DTX+CDDP+S-1 3例で施行されていた.実施術式は胃全摘/幽門側胃切除/噴門側胃切除=17/15/5で,脾摘は9例で施行された.合併切除臓器は横行結腸2例,膵尾部1例で,R0切除が得られたのは26例(70.2%)であった.R1/R2は11例で,全例で術後も化学療法を施行されていた.病理学的診断はpStageⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ=1/10/9/11で,18例(48.6%)でdown stageしており,6例でpCRが得られた.術後化学療法はStageⅣの11例を含む29例で施行され,そのうち20例でS-1が使用されていた.化学療法を施行されなかった8例は,4例のpCR症例のほか,pStageⅡA (SS, N0) が2例,pStageⅠB, pStageⅡBが各1例だった.予後については,cStageⅣ症例で化学療法後にR0切除可能であった7例のうち,肺転移,肝転移各1例を除く5例が生存中である.pCR症例6例と術後化学療法が省略されたpStageⅠB, ⅡAの症例も,無再発生存中である.【結語】術前化学療法を行い,R0切除が得られた症例は予後の改善が期待される.またpCR症例においては,術後補助化学療法を省略できる可能性が考えられた.
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