演題

当科における戦略:大動脈周囲リンパ節転移陽性高度進行胃癌に対する術前化学療法・拡大郭清を伴う根治手術

[演者] 坂本 渉:1
[著者] 松本 拓朗:1, 金田 晃尚:1, 菊池 智宏:1, 楡井 東:1, 早瀬 傑:1, 大木 進司:1, 円谷 彰:1, 丸橋 繁:2, 河野 浩二:1
1:福島県立医科大学消化管外科学講座, 2:福島県立医科大学肝胆膵・移植外科学講座

JCOG9501の結果から大動脈周囲リンパ節の予防的郭清の意義は否定されているものの,その転移陽性例に対して拡大郭清を伴う根治的切除を行うことは,根治切除後長期生存を認める群が少数ながら存在することから議論の余地が残されている.また根治性の向上を求めての術前化学療法の意義およびそのレジメンについてはコンセンサスを得るには至っていない.当科では大動脈周囲リンパ節転移をともなう切除可能stageIV胃癌に対してプロトコールの見直しを行い,2015年下半期よりJCOG0405に準じて術前SP療法2クールの後に拡大郭清を伴う根治手術を行う方針としている.現在までの3例の経験について文献的考察を交えて報告する.症例1:60台男性.体上部後壁中心にEGJ 1cm口側まで進展する3型腫瘍を認め,生検で sig/por2.PET-CTでNo.16a2転移陽性と診断され,cT4aN3M1(No.16LN)cStageIV.SP1クール終了後のCT評価でPDとなり審査腹腔鏡の後に胃全摘D2+No.16郭清を施行しR0を得た.pT4aN3M1(No.16a2:4/4)pStageIV.術後CapeOX8クールを施行し,術後6か月無再発生存中である.症例2:60台女性.胃前庭部より幽門部近傍まで全周性の2型腫瘍を認め生検でpor2/sig.PET-CTでNo.16bリンパ節陽性,膵浸潤,腹水を認め,cT4b(Panc)N2M1(No.16LN)cStageIV.SP2クールを行い,PR判定.審査腹腔鏡の後に後幽門側胃切除D2+No.16郭清を施行しR0を得た.pT4aN2M1(No.16b1)pStageIV, 化学療法効果判定はGrade1aであった.術後2カ月でリンパ節,腹膜播種再発を認め,術後4カ月生存中である.症例3:20台男性.3cmの食道浸潤を伴う食道胃接合部癌(GE),生検でpor2.PET-CTで,No.16a陽性であり,cT4bN3M1(No.16LN)cStageIV.SP2クール行いSD判定後,胸部食道亜全摘,胃全摘,有茎空腸再建,3領域リンパ節郭清(D2+No.16)施行し,R0を得た.pT4aN3M0 pStageIIIC, 化学療法効果判定はGrade1aであった.術後TS1内服中,術後8カ月で腹膜播種によるイレウスで再発.バイパス術を行うも解除に至らずBSCとなり,術後12カ月で永眠された.
詳細検索