演題

切除不能進行胃癌に対する化学療法後,根治切除対象症例の治療成績

[演者] 竹野 淳:1
[著者] 田村 茂行:1, 村上 剛平:1, 阪本 卓也:1, 内藤 敦:1, 桂 宜輝:1, 大村 仁昭:1, 賀川 義規:1, 武田 裕:1, 加藤 健志:1
1:関西労災病院 外科

はじめに)化学療法の進歩により,かつて外科手術の対象外であった肝転移や大動脈周囲リンパ節,腹膜播種症例に対して化学療法奏効後に手術を行う,いわゆるConversion surgeryという概念が胃癌においても広まってきた.当院で切除不能胃癌に対して化学療法後に根治切除の対象となった症例を後方視的に解析し,その治療成績について検討した.
対象)当院で2002年から2016年までに切除不能胃癌と診断され,化学療法後に根治切除の対象となった39例.
結果)患者背景は男性31例,女性8例.年齢の中央値は64才.深達度はcT2/3/4 2/8/29例.リンパ節転移はcN0/N1以上 5/34例.非切除理由は腹膜播種(CY1含む)/遠隔リンパ節転移/肝転移/肝以外の遠隔転移 18/10/9/2例.化学療法はS1+CDDP/S1+Paclitaxel(PTX)(ip)/S1/ Capecitabine(Cape)+CDDP/ Cape+CDDP+Trastzmab/ Cape+CDDP+ip PTX 19/13(4)/2/ 1/ 3/ 1例.30例が奏効例.また手術直前に26例で審査腹腔鏡を行った.手術までの期間は中央値168日.術前化学療法は中央値で3.5コース行った.手術は全摘/幽門側切除23/16例.うち6例は同時肝切除を行った.31例にD2以上の郭清を行い,R0切除率は69%であった.26例にGrade1b以上の組織学的治療効果を認めた.術後再発は25例に認め,再発までの期間は中央値で220日.再発部位はそれぞれ腹膜播種/肝転移/リンパ節転移/肝以外14/6/10/3例であった.全生存期間のMSTは1092日,術後生存期間のMSTが669日であった.単変量解析ではR0手術,D2以上のリンパ節郭清,150日以上の化学療法期間が有意な予後因子であった.
結語)切除不能胃癌に対するconversion surgeryによって,69%のR0切除と3年の術後生存が得られた.生存期間にはR0手術とD2以上の郭清および150日以上の化学療法が影響していた.十分な期間の化学療法とD2以上のリンパ節郭清によって,切除不能進行胃癌に対するConversion治療成績の向上が期待できることが示唆された.
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