演題

切除不能進行胃癌に対するDocetaxel+CDDP+S-1(DCS)療法後のadjuvant surgery

[演者] 鷲尾 真理愛:1
[著者] 山下 継史:1, 江間 玲:1, 三重野 浩朗:1, 森谷 宏光:1, 細田 桂:1, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科

【目的】切除不能胃癌に対するDCS療法奏効後の切除例の短期成績を明らかにする.
【対象と方法】DCS療法によるdown stageがなされ,切除可能と判断された初回切除不能胃癌38例に対して切除を行った.【結果】平均年齢 60.5±10.3歳,男性/女性 28/10,切除不能因子は遠隔リンパ節21例(傍大動脈リンパ節18例),腹膜播種9例,膵浸潤8例,肝転移 5例であった.術前DCSコース数の中央値は6コースだった. RECIST評価可能病変を有する症例20例の化学療法効果はPR/SD/CR,18/2/0,RECIST評価不能症例の18例は全てNon-CR/Non-PDであった.化学療法中に認めたGrade3以上の有害事象は,白血球減少が11例(28.9%),好中球減少が19例(50%),貧血が5例(13.2%),食欲不振,悪心,嘔吐がそれぞれ1例ずつ(2.6%)だった.術式は幽門側胃切除10例,胃全摘27例,膵頭十二指腸切除1例.合併切除臓器は肝臓/脾臓/膵体尾部脾臓/結腸/小腸 2/6/1/1/1で,5例に対し大動脈周囲リンパ節摘出を施行した.29例(76%)にRO切除を施行.組織効果判定ではGrade3が4例あり,その他は0/1a/lb/2/不明,2/10/8/12/2だった.術後合併症は9例に認めたが保存的に軽快し,治療関連死を認めなかった.術後入院期間中央値は11.0日であった.全症例のMSTは50ヶ月,3年OSは59.7%,5年OSは39.7%であった.切除不能因子ごとの5年OSは傍大動脈リンパ節転移25.5%,腹膜播種55.6%,膵浸潤16.7%,肝転移40%であった.MSTに影響を及ぼす因子として①組織効果判定Grade ≦1a/≧1b,MST 1.7/ 4.8(P=0.03),②RO切除の有無 R0/ R1-2,4.8/ 1.6(P=0.01),➂pT4/ non-pT4,7.9/ 1.8(P=0.01),④pN3/ non-pN3, 6.2/ 1.3(P=0.001),⑤手術時のPの有無 P1/P0,1.1/4.7(P<0.001)が挙げられた.[結語] 切除不能胃癌に対するDCS奏効後の切除は化学療法から周術期を通じ安全に施行されていた.DCS療法後でも播種が残存する症例,高度リンパ節転移を有する症例,pT4症例,また組織学的効果判定の低い症例は予後不良である.
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