演題

StageII結腸癌における術後補助化学療法の有効性に関する検討-Propensity score matching analysis

[演者] 杉本 起一:1
[著者] 塚本 亮一:1, 丹羽 浩一郎:1, 石山 隼:1, 神山 博彦:1, 小見山 博光:1, 福永 哲:2, 梶山 美明:2, 川崎 誠治:2, 坂本 一博:1
1:順天堂大学医学部 下部消化管外科学, 2:順天堂大学医学部 消化器外科学

【はじめに】大腸癌治療ガイドライン医師用2016年版では,すべてのStage II大腸癌に術後補助化学療法(POAC)を一律に適応することは推奨せず,再発高リスク因子を有する症例に限って行うことが妥当であるとされている.今回我々は,Propensity score (PS)を用いてPOACの有効性について検討したので報告する.
【対象および方法】1995年から2005年までの11年間に根治度AまたはBの手術を施行したStage II結腸癌219例を対象とした.PSによるマッチングを用いてPOACの有無別の2群間における背景因子の偏りを補正後に,POACの有効性についてRecurrence-free survival(RFS),Cancer-specific survival(CSS)を指標に比較検討を行った.PSは,年齢,術前CEA値,組織型,深達度,リンパ管侵襲,静脈侵襲,郭清リンパ節個数および術前イレウス/穿孔の有無を用いて算出した.
【結果】POACは119例(54.3%)に施行されていた.POACの有無別の2群間の背景因子の比較では,年齢 (P<0.0001),深達度 (P=0.04),リンパ管侵襲 (P=0.002)および静脈侵襲 (P<0.0001)において有意差を認めた.PSによるマッチングを行う前のPOACの有無別の検討では,RFS (Hazard ratio= 0.76, 95% CI 0.40-1.45, P=0.41) およびCSS (Hazard ratio= 0.52, 95% CI 0.22-1.19, P=0.12)で,共に有意差を認めなかった.PSによるマッチングを行うと,各群67例がマッチングし,両群間における背景因子の差は認めなかった.PSによるマッチング後のPOACの有無別の検討では,RFS (Hazard ratio= 0.55, 95% CI 0.23-1.23, P=0.15) およびCSS (Hazard ratio= 0.46, 95% CI 0.16-1.18, P=0.11)で,共に有意差を認めなかった.
【結語】PSを用いたマッチングによりPOACの有無別の2群間における背景因子の差は認めなかった.PSによるマッチング後のPOACの有無別の検討では,RFSおよびCSS共に有意差を認めず,Stage II結腸癌症例におけるPOACの効果は認められなかった.
詳細検索