演題

当院におけるStagII大腸癌切除例の再発リスク因子の検討

[演者] 谷尾 彬充:1
[著者] 蘆田 啓吾:1, 前田 佳彦:1, 漆原 正一:1, 山本 学:1, 徳安 成郞:1, 坂本 照尚:1, 本城 総一郎:1, 斎藤 博昭:1, 藤原 義之:1
1:鳥取大学附属病院 第一外科診療科群(消化器外科)

【はじめに】2016年版大腸癌診療ガイドラインでは,StageII大腸癌の再発高リスク要因として,進達度や穿孔・狭窄の有無,病理組織や脈管侵襲の有無などが述べられているが,明確に定義されていない.【目的】当院にて加療を行ったStageIIの大腸癌症例の再発リスク因子について検討を行う.【対象】当院にて2008年2月~2014年11月までにR0切除が行われたStageII大腸癌125例について後方視野的に検討した.検討項目は性別,年齢(<75/≧75),緊急手術,閉塞の有無,占拠部(結腸/直腸),進達度(T2~3 / T4)リンパ管侵襲度(ly1 or less/ly2 or more),静脈侵襲度(v1 or less/ v2 or more),腫瘍径(<5.0cm/≧5.0cm),組織型(Wel or Mod / Por or Muc),郭清リンパ節個数(<12/≧12),手術法(開腹/腹腔鏡),手術時間(≦250min / >250min),出血量(≦242ml / >242ml),術後補助化学療法の有無,術前CEA値(≦5.0ng/ml / >5.0ng/ml),術前CA19-9値(≦37.0U/ml / >37.0U/ml),mGPS,PNI(≦39.5/>39.5)などとした.【結果】5年無再発生存率は89.6%であった.観察期間中央値は44ヶ月(1~105ヶ月).再発は13例(局所再発6例,肝転移4例,腹膜播種再発1例,傍大動脈リンパ節転移1例,空腸転移1例)で,再発までの期間の中央値は12ヶ月(6~72ヶ月)であった.再発危険因子として有意差が認められたものは緊急手術(p=0.008),PNI≦39.5(p=0.017)であった.直腸癌のみの検討では閉塞(p=0.02),出血量≧240ml(p=0.046),低分化型腺癌・粘液癌(p≦0.001),結腸癌のみの検討では緊急手術(p=0.018),mGPSのD群(Alb<3.5g/dL かつCRP≧0.5mg/dL)(p=0.013)が再発リスク因子として有意差を認めた.【まとめ】当院での大腸癌StageIIの検討では緊急手術,PNI≦39.5が再発リスク因子であった.直腸癌では閉塞,出血量,低分化型腺癌・粘液癌,結腸癌では閉塞緊急手術,mGPSのD群が再発リスク因子として抽出され,これらの因子を認めた患者に関しては,より慎重にフォローを行う必要があると考えられた.
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