演題

当院での大腸癌同時性肝転移に対する肝切除の検討

[演者] 福岡 麻子:1
[著者] 井田 圭亮:1, 丹波 和也:1, 根岸 宏行:1, 朝野 隆之:1, 牧角 良二:1, 月川 賢:1, 國場 幸均:2, 宮島 伸宜:3, 大坪 毅人:1
1:聖マリアンナ医科大学病院 消化器・一般外科, 2:聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・一般外科, 3:聖マリアンナ医科大学東横病院 消化器病センター消化器外科部門

大腸癌ガイドラインによれば,大腸癌同時性肝転移に対しては切除可能であれば切除が勧められている.しかし肝切除のタイミングについては原発巣との同時切除と異時切除のどちらが長期予後に寄与するかは明らかとなっていない.当院での切除可能な大腸癌同時性肝転移に対する治療方針は,原発巣の切除後に化学療法を3か月間施行し,その後肝切除を施行している.しかし肝門遮断(15分遮断・5分解除)2回程度で切除可能な肝転移巣であれば原発巣との同時切除も選択肢としている.
今回2010年1月から2016年4月までの間に当院で大腸癌同時性肝転移に対して肝切除を施行した症例をretrospectiveに調査し,同時切除群と異時切除群に分けて術後合併症,予後について検討した.
症例数は23例で,同時切除群が5例,異時切除群が18例であった.同時切除群は異時切除群にくらべ右側結腸癌が多かったが,年齢,性別,肝転移の程度に関しては両群で差を認めなかった.原発巣切除から肝切除の間の化学療法はFOLFOX6が多く行われていた.
肝切除の術式は,同時切除群は部分切除が2例,区域切除+部分切除が1例,葉切除が2例施行されていた.異時切除群は肝部分切除が14例,区域切除+部分切除が1例,葉切除+部分切除が3例施行されており,葉切除+部分切除を施行した3例は2期的に肝切除を施行していた.原発巣の切除から肝切除までは平均6.2か月であった.
術後合併症は同時切除群でclavien分類3aの合併症を2例(胆のう炎・腹腔内膿瘍),異時切除群でclavien分類3aと3bの合併症を1例ずつ認めた(術後出血・胆汁漏).術後は3例が他院でフォローされており経過が不明であったが,同時切除群で4例,異時切除群で14例の再発を認め,残肝再発はそれぞれ2例,11例であった.再発までの平均期間は,同時切除群で8か月,異時切除群ではか5.2か月であったが,異時切除群の2例は無再発生存中であった.今回の検討では同時切除群,異時切除群で術後合併症,無再発生存期間に有意差を認めなかったが,症例数が少ないため今後も検討を続けていきたい.
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