演題

切除可能肝限局性転移を有する大腸癌における術前化学療法としてのmFOLFOX6療法の有効性および安全性の検討

[演者] 榎本 正統:1
[著者] 桑原 寛:1, 松土 尊映:1, 新後閑 正敏:1, 石崎 哲央:1, 粕谷 和彦:1, 勝又 健次:1, 土田 明彦:1
1:東京医科大学病院 消化器外科・小児外科

【はじめに】切除可能な大腸癌肝転移症例に対する治療は外科的切除が第一選択であることはコンセンサスが得られている.しかし,残肝をはじめ再発を認める症例も多く治療戦略のさらなる検討が必要である.今回我々は切除可能肝限局性転移を有する結腸・直腸癌における術前化学療法としてのmFOLFOX6療法の有効性および安全性の検討を行ったので報告する.
【目的】切除可能肝限局性転移を有する結腸・直腸癌における術前化学療法としてのmFOLFOX6療法の有効性および安全性を明らかにすることである.肝切除率,奏効率,R0切除率,有害事象,肝障害発現率,術後合併症発現率,術後入院期間,組織学的効果について検討した.
【方法】2012年から現在までに33症例が登録された.そのうち現時点での評価可能症例は18例に対して臨床病理組織学的評価を行った.
【成績】男性13例,女性5例.年齢の平均値は64.5歳.肝転移の内訳はH1が15例,H2が3例であった.肝転移のGrade分類はAが11例,Bが7例であった.同時性が13例,異時性が5例であった.術前化学療法の完遂率は100%であった.術前化学療法の副作用は消化管障害のGrade1および3がそれぞれ1例,骨髄抑制が1例に生じた.CRが0例,PRが9例,SDが6例,PDが3例でRRは50%であった.肝切除術時間の平均値は299.9分,出血量は271mlであった.術後合併症はGrade1のSSIを2例,Grade2の腹水を1例に認めた.肝切除率は100%でR0切除が80%,R1手術が20%であった.病理組織学的検討を行ったところGrade1aが6例,1bが5例,2が2例,3が2例であり,組織学的著効例は26.7%であった.類洞拡張に関してはGrade1が13例,Grade2が2例でGrade3は認めなかった.術後化学療法の導入率も100%であったが,術後化学療法の完遂率は67%であった.副作用は消化管障害が3例,脱毛が2例,骨髄抑制Grade1および3がそれぞれ1例,末梢神経障害が2例に出現した.
【結論】切除可能肝限局性転移を有する結腸・直腸癌における術前化学療法としてのmFOLFOX6療法は安全に施行可能で副作用も許容範囲内である.今後は本療法の長期成績について検討する必要がある.
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