演題

下部進行直腸癌に対する腹腔鏡下手術の治療成績

[演者] 三浦 啓寿:1
[著者] 山梨 高広:1, 筒井 敦子:1, 内藤 正規:1, 佐藤 武郎:1, 中村 隆俊:1, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科

進行下部直腸癌に対する腹腔鏡下手術は,腸管切離,吻合の難易度が高いことや,外科的剥離面陽性率が高くなる可能性など問題点が指摘され,大腸癌治療ガイドインにおいては推奨度IBとされている.さらに,腹腔鏡下側方郭清の手技は確立されていないことから臨床試験として有効性と安全性を確認する必要があると明記されている.当教室では,進行下部直腸癌に対して術前化学放射線後(NCRT)に開腹でTME+両側側方郭清を行い良好な治療成績を報告した.その結果を踏まえ2010年からNCRT後に腹腔鏡下でTMEのみを行っている.
目的:進行下部直腸がん対する腹腔鏡下直腸切除の有用性につき検証する.
対象と方法:2010年から2014年12月までにcT3/T4及びN0-2進行下部直腸癌に対しNCRT後に腹腔鏡下直腸切除を施行した57例を対象に3年無再発生存率,再発危険因子を検証した.
結果:観察期間の中央値は41(16-96)ヵ月,患者背景は男女比33:24,平均年齢64(±8.7)歳,
ASA1/2/3:17/38/2, cT3/T4: 31/26, cN0/1/2:38/17/2であった.CRT後のgradeは1a/1b/2/3 : 8/22/11/15であった. 再発率は10/57(17.5)であり,再発部位は肝臓5例,肺5例,内腸骨リンパ節1例だった.3年無再発生存率は84.1%,3年全生存率は91.4%と良好な治療成績であった.再発危険因子を性別,年齢,ASA, 術式,術前術後のCEA,CA19-9,cT, cN, AV, CRT完遂の有無,術後合併症の有無,手術時間,術中出血量,BMI,CRT前後の腫瘍最大径,ypT, 組織型,脈管侵襲の有無,転移個数,転移検索個数,DM,術後補助療法の有無につき解析した結果,BMI25.7以上が独立した危険因子として抽出された.
まとめ)観察期間が41ヵ月と短いものの,3年無再発生存率,3年全生存率は比較的良好な結果であった.再発危険因子はBMI25.7kg/m2が危険因子として抽出された.
今後さらに追跡調査を行い長期予後を検証する必要がある.
結語)進行下部直腸癌に対する腹腔鏡下手術は有用である.
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