演題

当院における局所進行直腸癌に対する腹腔鏡下手術の短期成績

[演者] 高橋 徹:1
[著者] 鈴木 麻由:1, 加藤 拓也:1, 水上 達三:1, 大畑 多嘉宣:1, 橋本 卓:1, 那須野 央:2, 清水 悠以:2, 仲地 耕平:2, 阿部 厚憲:1
1:帯広病院 外科, 2:帯広病院 消化器科

【目的】
局所進行直腸癌に対する腹腔鏡下手術の適応について未だ一定の見解は得られていないが, 狭骨盤での拡大視野効果および気腹による静脈系出血の制御の利点を生かし徐々に拡大してきている.当院でも積極的に進行癌に対して腹腔鏡下手術を導入しており, その短期成績について報告する.
【対象と方法】
2014年1月から2016年12月までに腹腔鏡下手術を施行した局所進行直腸癌42例を対象とし, 手術成績, 合併症, 再発の有無について検討した.
【結果】
内訳は男性26例, 女性16例で平均年齢は68.7歳, 平均BMIは22.8であった. 腫瘍占拠部位はRs / Ra / Rb / Pが16 / 13 / 10 / 3例で, 6例に術前治療 (内NAC 2例, CRT 3例)を行った. 術式はHAR /LAR (内sLAR) /APR /ハルトマンが11 / 14 (2) / 9 / 3例, 上方向リンパ節郭清はD2 / D3 が7 / 35例, 側方郭清を1例に施行した. 手術時間は190-582分 (平均 343分), 平均出血量は88mlであった. 平均腫瘍最大径および環周率は48.7mm, 65%であり,pT4a症例は16例と全体の38%を占めた. pStageはI / II / IIIa / IIIb / IVが5 / 13 / 8 / 3 / 11例とStageIVが多いためR0 / R2症例が32 /10例となった. 術後在院日数は平均16.7日で, pStage IV以外の症例で術後早期の再発は認めていない. 術後合併症はClavien-Dindo分類I / II / IIIa / IIIbが3 / 0 / 1 / 2例で合併症率は11.9%であり内容は挫滅症候群1例, 創感染2例, 創哆開1例, 後出血1例, 小腸ストーマのoutlet obstruction 1例であった. 術後合併症を発症した5例は全例男性でRa以下の下部病変であり, 内3例はT4a症例で手術時間も平均より100分以上長い症例であった. また術前治療例が3例含まれており, 2例は組織学的効果判定がGrade Iと腫瘍縮小効果があまり得られずypT4aであった. 術後在院日数も平均より10.3日長くなった.
【考察】
当科での直腸癌に対する腹腔鏡下手術は比較的安全に施行可能であったが,術前治療による腫瘍縮小効果の乏しい症例ではTaTMEなどの技術導入も考慮したより安全な手術を今後検討する必要があると思われた.
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