演題

直腸癌の側方リンパ節転移陽性症例の臨床病理学的特徴について

[演者] 山岡 雄祐:1
[著者] 絹笠 祐介:1, 塩見 明生:1, 山口 智弘:1, 賀川 弘康:1, 山川 雄士:1, 杉浦 禎一:1,2, 坂東 悦郎:2, 寺島 雅典:2, 上坂 克彦:2
1:静岡県立静岡がんセンター 大腸外科, 2:静岡県立静岡がんセンター

【目的】直腸癌の側方リンパ節転移陽性症例の臨床病理学的特徴を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】2002年9月から2016年9月に原発性直腸癌に対して直腸間膜全切除+両側側方郭清を施行した446例を対象とした.①側方リンパ節転移と有意に関連する臨床病理学因子の同定,②両側側方転移と片側側方転移の臨床病理学的特徴の比較,③腫瘍の局在と側方転移の関連について検討した.【結果】男性/ 女性=319/ 127例,年齢中央値62歳,術前化学放射線を施行した症例は38例(8.5%),半周以上/前壁/右前壁/右壁/右後壁/後壁/左後壁/左壁/左前壁= 307/34/2/22/7/30/5/28/11例,分化型/ 分化型=418/ 28例,pCR・pT1/ T2/ T3/ T4a/ T4b=10/ 78/ 291/ 17/ 5例,pN0/ N1/ N2=191/132/ 123例,pStage 0・I/ II/ III/ IV=62/ 125/ 211/ 48例,側方リンパ節転移陽性症例は80例(17.9%),両側側方リンパ節転移陽性症例は14例(3.1%)であった.①性別,年齢,腫瘍の局在,組織型,腫瘍径,術前CEA値,直腸固有間膜リンパ節転移の有無,隣接臓器への浸潤の有無,遠隔転移の有無のうち,多変量解析で側方リンパ節転移陽性と有意に独立して関連があった因子は,直腸固有間膜内のリンパ節転移陽性(P<0.01),隣接臓器への浸潤有あり(P=0.01),遠隔転移有り(P<0.01)であった.②両側側方リンパ節転移陽性症例(n=14)は片側側方リンパ節転移陽性症例(n=66)と比較し,遠隔転移を有する症例の割合(50% vs 21%,P=0.03)が高かった.③腫瘍の局在別の側方リンパ節転移陽性症例は,半周以上=58例(19%,両側陽性10例,右側陽性23例,左側陽性25例), 前壁=7例(21%,両側陽性1例,右側陽性3例,左側陽性3例),右前壁=0例,右壁=4例(18%,右側陽性4例),右後壁=0例,後壁=7例(23%,両側陽性1例,右側陽性3例,左側陽性3例),左後壁=0例,左壁=2例(7%,両側陽性1例,左側陽性1例),左前壁=2例(18%,両側陽性1例,右側陽性1例)であった.【結論】 直腸固有間膜内のリンパ節転移陽性,隣接臓器への浸潤有り,遠隔転移有りは側方リンパ節転移と有意に関連しており,両側側方リンパ節転移陽性症例では遠隔転移を有する症例が多い.病変の反対側の側方リンパ節に転移をきたすこともある.側方郭清を省略する際はこれらを考慮する必要がある.
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