演題

MRI およびFDG-PETによる直腸癌側方郭清適応決定の検討

[演者] 小川 真平:1
[著者] 板橋 道朗:1, 瀬下 明良:1, 井上 雄志:1, 大木 岳志:1, 松尾 夏来:1, 谷 公孝:1, 前田 文:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院消化器・一般外科

【目的】MRIおよびFDG-PETのリンパ節転移診断能を評価し画像診断によるリンパ節statusからの直腸癌側方郭清(LPLD)適応決定について検討する.
【対象・方法】術前にMRIおよびFDG-PETを施行した直腸癌切除症例114例を対象とした.MRIとFDG/PETのリンパ節転移診断能および治療成績から,それぞれの画像診断の特徴を活かしたLPLD適応決定について検討した.cN(+)の診断基準は,MRIは組織学的所見との比較から,AUC値が最も高値であった短径size(3-10mm)以上のリンパ節が存在した場合,FDG-PETはFGDの集積(+)のリンパ節が存在した場合とした.観察期間の中央値は63.6ヶ月であった.
【結果】size別のAUC値の比較からMRIのcN(+)のcut off値は,直腸傍リンパ節(PRLN) 短径4mm(AUC 0.668),側方リンパ節(LPLN) 短径6mm(AUC 0.782)とした.MRIおよびFDG-PETの診断成績[sensitivity, specificity, PPV, NPV(%)]は,PRLN:MRI;94.5, 39.0, 59.1, 88.5,PET;30.9, 94.9, 85.0, 59.6,右LPLN:MRI;75.0, 77.3, 54.5, 89.5,PET;50.0, 100, 100, 84.6,左LPLN:MRI;75.0, 84.4, 54.5, 93.1,PET;50.0, 100, 100, 88.9であり,MRIはsensitivityとNPVが,FDG-PETはspecificityとPPVが高値であった.MRIの陽性および陰性尤度比は,PRLN;1.55,0.14,右LPLN;3.30,0.32,左LPLN;4.80,0.30であり,陰性尤度比が低い傾向にあった.治癒切除例87例のうちpLPLN(+)群のRFSは37.5%でpLPLN(-)群の67.6%に比べ有意に不良であった.MRIでのcLPLN(-)群のうちpPRLN(-)群のLPLD有無別のRFSは,LPLD(-)群: 88.0%,LPLD(+)群:87.5%,pPRLN(+)群では,LPLD(-)群: 48.6%,LPLD(+)群:54.6%で差はなかった.また,cLPLN群で局所再発は12例(17.4%)(吻合部1例,後方5例,側方6例)に見られ,LPLD有無別の内訳は,LPLD(+)群:7例(28.0%),LPLD(-)群:5例(11.4%)でLPLD(-)群は低率であった.
【考察】PPVの高いFDG-PETでLPLNに集積が見られた場合,pLPLN(+)である可能性が高く,FDG-PET はLPLDやCRTなどの治療の必要性が高い症例の選別に優れていると思われた.MRIはNPVが高く,また陰性尤度比が低いことから,pLPLN(+)よりpLPLN(-)例の選別に優れており,LPLD適応症例よりLPLD省略症例の選別に有用である可能性が考えられた.
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