演題

CTを用いた側方リンパ節転移診断による当科の局所進行下部直腸癌の治療成績

[演者] 金城 達也:1
[著者] 西垣 大志:1, 伊禮 靖苗:1, 西巻 正:1
1:琉球大学医学部 消化器・腫瘍外科学

(はじめに)下部進行直腸癌の標準治療は本邦ではJCOG0212の結果,側方リンパ節郭清(LLND)は直腸癌の標準術式である.当科のLLNDの適応は大腸癌治療ガイドラインのうち,CTで側方リンパ節(LLN)転移陽性症例は同側の郭清を施行するが対側のLLNDやLLN転移陰性例のLLNDは患者選択(両側または片側,未施行)としてきた.今回,当科でのCTを用いた側方リンパ節診断の評価とLLND症例の治療成績を検討した.(対象)2009年4月-2012年12月で術前治療未施行の下部進行直腸癌のR0手術68例のうち,ガイドラインでLLND適応であった32例で,LLND施行20例(LLND群)および患者因子でLLND未施行12例(TME群)について臨床病理学的評価とともに長期成績について検討した.(結果)年齢中央値は63歳,男性18例,女性14例.術式は(超)低位前方切除 13例,ISR 16例,APR 2例,ハルトマン手術1例(腹腔鏡 15例,開腹 17例).手術時間中央値538.5分,出血量712.5g.縫合不全は2例で,術後在院日数中央値は18日.LLND群とTME群(以下LLND/TME群の順)でpStage I/II/IIIa/IIIbは2/2,5/9,7/1,6/0例であった.病理組織での直腸間膜内リンパ節(MLN)検索個数は16個(4-28個)/ 13個(6-20個)で,転移陽性率は13.4%/0.8%(41/306個/ 1/119個).LLND群ではLLN検索個数は中央値14個(3-37個)で,病理で転移陽性率は1.9%(6/310個).術後補助化学療法はFOLFOX(XELOX)が11/3例,経口薬単剤が2/4例.術後観察期間は58.9ヶ月(0.9-73.3ヶ月)で,1/8例(8.3%/40%)に再発を認めた.再発部位はLLND群では局所再発6例,肺転移・腹膜播種・遠隔リンパ節転移が2例ずつ,肝転移・脳転移が1例ずつ認めた(重複あり). LLN再発はLLND群2例(いずれも郭清同側)であったがTME群では再発例はなかった.再発症例では3例が無再発生存中(再発巣切除2例,化療でCR症例1例)で,TME群では吻合部再発1例であった.5年DFSは64%(47.4%/90.9%,p=0.07),5年OSは96.6%(100%/90.9%).後方視的にCTによるLN陽性診断を評価すると(ROCにてCutoff値を決定:長径7.4mm,短径5.8mm),MLN陽性84.3%(27/32例),LLN陽性20%(4/20例)で,CTによるLLN陽性と病理によるLLNは有意に相関した(p=0.03).(結論)当科での直腸癌に対するLLNDは進行症例で施行され,再発率が高かったが積極的な集学的治療によりOSは良好であった.今後も慎重に治療方針を決定する必要がある.
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