演題

直腸癌に対して術前補助治療後に郭清された側方リンパ節径の検討

[演者] 岡村 拓磨:1
[著者] 亀山 仁史:1, 島田 能史:1, 中野 雅人:1, 中野 麻恵:1, 田島 陽介:1, 堀田 真之介:1, 山田 沙季:1, 小林 隆:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学医歯学総合病院 第一外科

【はじめに】直腸癌側方リンパ節転移に対する画像診断の診断基準が諸家より提唱されているが,どの基準を用いるべきか決着がついていない.特に術前補助治療後のリンパ節転移に対する診断基準に関して,その基盤となるべき組織標本でのリンパ節径を検討した報告が極めて少ないことが問題点である.【目的】術前補助治療後に側方郭清されたリンパ節標本を用いてリンパ節径を測定し,その特徴を明らかにすることである【対象】2000年1月から2015年9月までに初発直腸癌に対して当科で側方郭清を含む根治的手術を施行した87例を対象とした【方法】郭清された側方リンパ節の長軸径,短軸径,長短軸径差を測定し,術前補助治療施行の有無により比較検討した【結果】87例中,補助治療は16例に施行されていた.側方リンパ節転移は20例(23.0%)に認められた.全検索リンパ節1325個中,術前補助治療後のリンパ節は227個.術前補助治療の内訳は化学療法13例,化学放射線療法2例,放射線療法1例.術前治療の効果判定はPR4例,SD10例,PD2例.術前治療施行の症例ではリンパ節の長軸径,短軸径(中央値±SD,㎜)がリンパ節転移有:無で10.5±16.8:4.0±4.0,9.5±6.8:2.0±2.7,EXを含む転移有:無で10.0±10.6:4.0±3.7,8.0±4.9:2.0±2.0でありそれぞれ有意に転移有が大きかった(それぞれp < 0.001).術前治療施行のない症例ではリンパ節の長軸径,短軸径がリンパ節転移有:無で9.0±6.0:4.0±3.5,6.0±4.6:2.0±2.0,EXを含む転移有:無で9.5±6.4:4.0±3.3,7.0±5.2:2.0±1.7でありそれぞれ有意に転移有が大きかった(それぞれp < 0.001).術前治療ありと施行なしの比較では,転移リンパ節の長軸径,短軸径が治療有:無で10.5±16.8:9.0±6.0,9.5±6.8:6.0±4.6であり,EXを含む転移巣の長軸径,短軸径が治療有:無で10.0±10.6:9.0±6.4,8.0±4.9:7.0±5.2であり短軸径(p=0.0028)に統計学的に有意差を認めた.リンパ節転移,EX転移のない症例の検討では,長軸径,短軸径,長短軸径差が治療有:無で4.0±3.7:4.0±3.3,2.0±2.0:2.0±1.7,2.0±2.5:1.0±2.2であり,長軸径(p=0.005),長短軸径差(p=0.003)がそれぞれ術前治療ありの症例で大きかった.【結語】EXを含む転移巣に関しては術前治療施行有りのほうが無い症例より短軸径が有意に大きかった.術前画像診断においてEXを含む転移巣の診断基準を作成する際には,術前補助治療の有無を考慮する必要がある.
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