演題

下部直腸癌に対する腹腔鏡下側方リンパ節郭清術に関する前向き観察研究

[演者] 中山 吾郎:1
[著者] 木下 敬史:2, 石山 聡治:3, 藪崎 紀充:1,4, 服部 憲史:1, 江坂 和大:1, 小池 聖彦:1, 藤原 道隆:1, 藤井 努:1, 小寺 泰弘:1
1:名古屋大学大学院 消化器外科学, 2:愛知県がんセンター中央病院 消化器外科, 3:岡崎市民病院 外科, 4:中濃厚生病院 外科

はじめに:当科では腫瘍主座がRbでcT3 or cN1/2の下部直腸癌を対象として,腹腔鏡下側方リンパ節郭清(LLND)に関する前向き観察研究(CCOG-1501試験)を実施中である.基本術式は以下のごとく可能な限り単純化・定型化し,施設間で共通認識のもとに試験を行い,標本写真,郭清後の画像,および手術ビデオの提出によりクオリティーチェックを行っている.今回,短期成績の解析結果とともに,登録例のビデオを供覧する.方法:腹腔鏡手術群20例を対象に,主要評価項目:術後早期合併症(Clavien-Dindo分類>III度)発生割合と副次評価項目:手術時間,出血量,開腹移行率,リンパ節郭清個数等について検討を行った.プロトコール上の基本術式は,①「三枚おろし」:A.尿管・下腹神経を包む尿管下腹筋膜,B.内腸骨血管系を包む膀胱下腹筋膜,C.その外側と外腸骨血管-大腰筋-内閉鎖筋に囲まれる#283リンパ節を3枚に剥離.②#283郭清:閉鎖動静脈を切離後,挙筋腱弓を確認し挙筋上の脂肪織を#283と一塊に切除.③#263D郭清:膀胱下腹筋膜内の内腸骨動脈-上膀胱動脈-下膀胱動脈最終枝-膀胱に囲まれる範囲を摘出.状況に応じて,#263P, 内陰部動脈周囲のリンパ節を郭清する.結果:男女比は11:9,手術時年齢中央値は62歳(41-75歳)であった.術式はLAR 8例,APR 12例で,総手術時間378分,出血量:95ml,LLND所要時間は左側75分,右側82分であり(いずれも中央値),開腹移行例は認めなかった.リンパ節郭清個数中央値は左側7個,右側9個で,3例(15%)にリンパ節転移を認めた.術後早期合併症発生率はClavien-Dindo II度:35%,>III度:0%であった.結語:短期成績の解析結果からは腹腔鏡下LLNDは安全に施行可能と考えられ,今後のさらなる症例集積と長期成績を解析の上で検討を重ねたいと考える.
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