演題

当科における腹腔鏡下側方リンパ節郭清の成績

[演者] 中西 正芳:1
[著者] 有田 智洋:1, 村山 康利:1, 栗生 宜明:1, 小菅 敏幸:1, 森村 玲:1, 小西 博貴:1, 小松 周平:1, 塩崎 敦:1, 大辻 英吾:1
1:京都府立医科大学医学部 消化器外科学

背景
わが国ではT3以深の下部直腸癌に対する標準治療として,両側側方郭清が行われて来た.現在は様々な術前治療が行われることもあり,その適応は施設より異なる状況となっている.また近年では腹腔鏡下の郭清も報告されるようになっており,当施設での適応と成績について報告する.
対象
2007年1月から2016年11月までに73例の直腸癌症例に対して側方郭清を行なった.当科では現在,Rb以深にかかるT3以上の進行癌症例に対して術前化学放射線療法を行い,その後に治療前N0であった症例はTMEのみ,N1であった症例は側方リンパ節腫大の有無に関わらず両側の側方郭清を行なっている.2012年3月から腹腔鏡下の郭清を導入した.
方法
内閉鎖筋を中心とした外側壁,骨盤神経叢を中心とした内側壁,膀胱下腹筋膜を中心の仕切りとして3つのパートを意識したリンパ節郭清を行う.メルクマールに従った郭清操作を行うことが重要と考えている.
結果
開腹群は男性34例,女性22例,腹腔鏡群は男性9例,女性8例,開腹群と腹腔鏡群では出血量は腹腔鏡群で少なく,手術時間は開腹群で短いという結果であった.郭清リンパ節個数は両群間に有意差なく,術後のcancer specific survival,overall survival共に同等であった.側方郭清後の側方リンパ節再発は開腹群に1例認めるのみであった.また術前放射線照射を行なった症例では治療前N0の症例で側方リンパ節転移を認めた症例はなかった.腹腔鏡群の長期予後はまだ不十分な追跡期間であるが,3年生存率91.6%,3年無再発生存率74.6%と開腹群に劣らない結果であった.
結果
腹腔鏡下の側方郭清は安全性,根治性ともに良好である.N0症例に対する放射線照射後の側方郭清は省略可能と考えているが,N1N2症例については今後の検討が必要である.当科での手技を供覧し,成績の詳細を報告する.
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