演題

局所進行直腸癌に対する術前補助化学療法の検討

[演者] 丸山 聡:1
[著者] 瀧井 康公:1, 野上 仁:1, 番場 竹生:1, 會澤 雅樹:1, 松木 淳:1, 野村 達也:1, 中川 悟:1, 藪崎 裕:1, 土屋 嘉昭:1
1:新潟県立がんセンター新潟病院 外科

【目的】局所進行直腸癌に対する術前補助化学療法の有効性,安全性を検証する.
【対象と方法】局所進行直腸癌に対して術前補助化学療法を施行した48例を対象とし,抗腫瘍効果,有害事象,手術経過,長期予後を検討する.TS-1/CPT-11(IRIS療法) 19例,TS-1/L-OHP(SOX療法)29例.治療前予想根治度A:B =39:9.
【術前化学療法レジメン】IRIS療法:28日を1コースとし,CPT-11をday1,15に100 mg/m2,TS-1はday1-14に80 mg/m2投与し,2コース終了後4週間以内に手術施行.SOX療法: 3週を1コースとし,L-OHPをday1に130 mg/m2,TS-1はday1-14に80 mg/m2投与し,3コース終了後4週間以内に手術施行.
【結果】IRIS療法:平均年齢61.7才.男:女=16:3.化学療法前病期判定はIIIa:IIIb:IV = 5:11:3.総合効果判定はRESIST基準でCR:PR:SD:PD =1:9:8:1,奏効率52.6%.G3以上の有害事象は3症例(好中球減少2件,下痢1件),有害事象による手術治療の延期や中止はなかった.手術根治度A:B =15:4.肛門温存に術前化療が寄与した可能性のある症例は5例.組織学的効果判定ではGrade 1a:1b:2:3 = 13:2:4:0.術後合併症として縫合不全2例,骨盤死腔炎2例,手術関連・在院死亡はなかった.平均術後在院日数21日.最終病期判定はII:IIIa:IIIb:IV = 2:5:8:4.観察期間の中央値83.8ヵ月で,再発は5例(IIIb 3例,IV 2例),5年OSは73.6%,5年RFSは68.4%.
SOX療法: 平均年齢57.9才.男性23例,女性6例.化学療法前病期判定はII :IIIa:IIIb:IV = 6:11:10:2.総合効果判定はRESIST基準でPR:SD = 17:12,奏効率58.6%.G3以上の有害事象は4症例(食欲不振3件,好中球減少1件).手術根治度A :B = 27:2.肛門温存に術前化療が寄与した可能性のある症例は3例.組織学的効果判定ではGrade 0:1a:1b:2:3 = 2:18:4:5:0.術後合併症として縫合不全6例(CD IIIa 5例,IIIb 1例),手術関連・在院死亡はなかった.平均術後在院日数24日.最終病期判定は0:I:II:IIIa:IIIb:IV = 1:2:11:8:5:2.観察期間の中央値31.8ヵ月で,5年OSは83.6%,5年RFSは81.1%.
【結語】術後合併症として縫合不全が多い傾向にあったが,有害事象による手術治療の延期や中止はなく,全例根治手術がなされた.長期成績でもIII期以上の進行症例が多い中で,比較的良好であった.局所進行直腸癌治療に対する術前化学療法は肛門温存や長期成績おいて有効である可能性があり,引き続き症例を蓄積して検討が必要である.
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