演題

当院における術前化学療法施行後の進行直腸癌切除症例の検討

[演者] 植木 智之:1
[著者] 園田 寛道:1, 清水 智治:1, 三宅 亨:1, 太田 裕之:1, 目片 英治:1, 遠藤 善裕:1, 飯田 洋也:1, 山口 剛:1, 谷 眞至:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科

【緒言】本邦における進行直腸癌に対する標準治療は,TME(total mesorectal excision)であり,欧米で標準である術前化学放射線療法は推奨されていないのが現状である.一方,進行直腸癌において術後補助化学療法のdose intensityが保てない影響もあり,短期間で再発・転移を来す症例も認めることから,術前に化学療法を施行する報告も散見される.当院においても進行直腸癌に対する治療成績向上を目指して,術前化学療法を試みている.そこで,今回われわれは当院において術前化学療法を施行した進行直腸癌症例の背景因子,病理組織学的因子,治療成績について検討した.【対象】2012年~2015年の期間で術前化学療法施行後にR0切除を行った進行直腸癌15例.【結果】年齢(以下中央値): 58歳(42-77),男性/女性=11/4,初診時血清CEA: 38ng/ml(1.6-297.1),術前化学療法施行後血清CEA:6.9ng/ml(2.2-91.7),腫瘍占拠部位RS/Ra/Rb=4/2/9,腫瘍径: 34mm(25-70),cT因子T2/T3/T4a/T4b=2/4/6/3,cN因子N0/N1/N2/N3=6/4/1/4,cStage I/II/III/IV=1/3/5/6,RAS野性型/変異型=9/6,術前化学療法レジメン mFOLFOX7+P-mab,C-mab/mFOLFOX6+B-mab/mFOLFOX6/XELOX/FOLFOXIRI=9/1/1/1/3,施行コース数:5コース(3-9)であった.原発巣に対する施行術式:低位前方切除/括約筋間直腸切除/直腸切断/骨盤内臓全摘=6/7/1/1,Clavien-Dindo分類III以上の術後合併症を1例(6.7%,腸閉塞)のみに認め,術後入院期間:17日(10-38)であった.なお,cStageIVの症例に関しては,同時肝切除3例,同腹膜切除(子宮合併切除)1例,二期的肝切除1例,同肺切除1例を施行した.ypT因子 T0/T2/T3/T4a/T4b=1/4/7/1/2,ypN因子N0/N1/N2/N3=7/5/1/2,化学療法効果判定:1a/1b/2/3=3/4/7/1,ypStage 0/I/II/III/IV=1/1/3/4/6,downstaging症例は 3例(20%)であった.現在,全例生存中(観察期間中央値:36ヶ月(3-56))であり,無再発生存は10例(同:19ヶ月(3-52),66.7%)であった.【おわりに】当院における術前化学療法を行った進行直腸癌の根治手術は安全に施行されていると思われ,短期成績も良好であると思われる.今後も症例を集積し,さらなる検討を行う予定である.
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