演題

腹腔鏡下直腸手術後における排尿障害の現状

[演者] 河野 眞吾:1
[著者] 高橋 里奈:1, 杉本 起一:1, 神山 博彦:1, 小島 豊:1, 五藤 倫敏:1, 梶山 美明:2, 川崎 誠治:2, 福永 哲:2, 坂本 一博:1
1:順天堂大学医学部 下部消化管外科学, 2:順天堂大学医学部 消化器外科学

[はじめに]近年,直腸癌術後における排尿障害は,根治性と機能温存の両立した手術が目指されるようになり減少してきている.また,腹腔鏡手術の進歩により機能温存のための神経や膜の解剖についても確認できるようになってきた.今回,我々は当科における腹腔鏡下直腸手術後における排尿障害についての現状をretrospectiveに検討をした.[対象]当科において2016年1月から11月に直腸癌に対して根治手術を施行された30例を対象とした.排尿障害に関しては自排尿がないもの,自排尿後の残尿が100ml以上あるものを排尿障害ありとした.[結果] 全症例の年齢は中央値で67歳(41-83歳),男性:20例,女性:10例であった.直腸癌占居部位は,直腸S状部が12例,上部直腸が7例,下部直腸が11例であった.術前治療施行症例は10例であり,側方郭清施行症例は7例であった.術前より排尿障害を認める症例が1例みられた.術後排尿障害を認めたものは13例(43.3%)であった.そのうち薬物治療を必要としたのは10例であった.退院時に自己導尿を必要とするものは1例(3.3%)であった.年齢,BMI,側方郭清の有無,術前治療の有無,手術時間,術中出血量,腫瘍占居部位,腫瘍径,深達度,術後合併症といった因子について排尿障害との関係性を検討したところ,術中出血量 50g以上の症例では有意に排尿障害が多かった.[まとめ]排尿障害は軽微なものも合わせると頻度は43.3%と高いものであった.しかしながら,自己導尿を必要とするような排尿障害は3.3%と少なかった.術中出血量が50g以上となる症例では排尿障害のriskが高かった.
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