演題

当院におけるTAS-102の使用経験

[演者] 松田 睦史:1
[著者] 松本 健司:1, 笹倉 勇一:1, 田口 昌延:1, 寺内 寿彰:1, 木全 大:1, 古川 潤二:1, 尾形 佳郎:1, 小林 健二:1, 篠崎 浩治:1
1:済生会宇都宮病院 外科

【背景】
RECOUSE試験でのBSCとの比較においてTAS-102は切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法として,全生存期間,無増悪生存期間の有意な延長を認め,現在大腸癌治療ガイドラインにおいても3rd line以降の化学療法としての標準治療として記載されている.しかしながら市中病院において大腸癌化学療法で3rd line以降まで施行する例を経験する事は少なく,実際の使用に関しては手探りで施行しているのが現状となっている.そこで今回われわれは当院でのTAS-102の使用経験を検討したので報告する.
【症例】
2014年6月以降に当院で切除不能進行大腸癌に対して化学療法を施行した患者のうち3rd line以降でTAS-102を使用した17例に関して検討を行った.患者背景としては男性13名(76%),女性4名(24%),平均年齢64歳であった.腫瘍の局在としては右側結腸3例(17%),左側結腸4例(24%),直腸10例(59%)であった.
【成績】
投与ラインとしては3rd lineでの使用が7例(41%),4th lineでの使用が8例(47%), 5th lineでの使用が2例(12%)であった.分子標的薬の使用はBevacizumabが15例(88%),抗EGFR抗体薬が9例(53%)であり,RAS野生型であったのは10例(59%)であった.全生存期間中央値は9.1ヵ月(2.7-20.8ヵ月),無増悪生存期間中央値は2.9ヵ月(0-12.2ヵ月)であり,1例は約1年間に渡りSDを維持した.奏効率に関しては0例(0%)であるものの,病勢コントロール率は5例(29%)であった.Grade3以上の有害事象としては好中球減少4例(24%),血小板減少1例(6%)であり,生命にかかわるものは認めなかった.
【結論】
TAS-102は骨髄抑制に注意して減量や休薬を適時行う事で市中病院においても比較的安全に使用する事ができ,長期に渡りSDを維持する可能性もある有効な治療法と考えられる.
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