演題

切除不可能な進行再発大腸癌に対するTAS-102の治療成績の検討

[演者] 神原 健:1,2
[著者] 佐藤 直広:1,2, 和久 利彦:2, 大多和 泰幸:2, 藤本 善三:2, 剱持 雅一:2, 黒瀬 洋平:1
1:福山市民病院 外科, 2:中国中央病院 外科

【背景】TAS-102はTrifluridineとTipiracil Hydrochlorideを配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤で,RECOURSE試験により標準治療に不応または不耐となった切除不能進行・再発大腸癌患者に対する本剤の投与は忍容性が良好であり,プラセボと比較して全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが示されている.【対象と方法】2014年6月から2016年11月に 3rd-line以降の切除不能進行・再発大腸癌患者に対し,TAS-102を使用した12症例に関して,その有効性と安全性を後方視的に検討した.【結果】年齢の中央値(範囲)は72(54-82)才,男/女:4/8例,PSは0/1/2が7/5/0例,組織型はtub1/tub2/por: 5/7/0例.腫瘍占拠部位はC/A/T/D/S/RS/Ra/Rb: 1/2/2/0/1/2/0/4例で,遠隔転移臓器数は単/複: 3/9例.RAS 野生型/変異型が5/7例,Regorafenib投与歴(前/後/無)は3/3/6例.投与コースの中央値(範囲)は2(1~5)コース.奏効率は0%,腫瘍制御率は58%,PFS,OSの中央値(95%信頼区間)は,2.8[1.2~4.3]ヶ月,17.6 [3.1~NR]ヶ月だった.血液毒性として,G2/G3/G4好中球減少を6/5/1例,G1/G2/G3血小板減少を2/0/1例,G1/G2貧血を5/1例,非血液毒性として,G1/G2/G3 倦怠感,悪心,口内炎,下痢をそれぞれ,4/1/2例,3/1/1例,2/1/0例,4/3/0例に認めた.OSはRAS野生型/変異型でNR[4~NR]/17.6[3.1~NR]ヶ月,Regorafenib投与歴:有(前,後)/無でNR[3.1~NR](NR[3.1~NR],NR[NR~NR])/9.1[4~17.6]で,RAS遺伝子型,Regorafenib投与の有無・投与順序ではOSに優位な差を認めなかった.【結語】TAS-102はsalvage line治療として血液毒性には注意が必要であるが,非血液毒性が少なくQOLを損ないにくい点からも認容性が高く,実臨床でも対症療法(BSC)と比較して生存期間の延長に寄与しうる有用な治療であることが示唆された.
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