演題

Regorafenib投与にて空洞化した大腸癌術後,転移性肺腫瘍の2例

[演者] 長谷川 誠司:1
[著者] 池 秀之:1, 須藤 友奈:1, 瀬上 顕貴:1, 有坂 早香:1, 嶋田 裕子:1, 林 勉:1, 髙川 亮:1, 村上 仁志:1, 福島 忠男:1
1:済生会横浜市南部病院 外科

【はじめに】CORRECT試験では,regorafenibは進行再発結腸直腸癌の全生存期間や無増悪生存期間の有意な延長が示されている.今回,我々は進行再発結腸直腸癌に14例に対しregorafenibを使用し,肺転移の空洞化を認めた2例に生存期間の延長がみられ,その臨床的意義を検討した.
【症例】症例1は67歳,男性.直腸癌,RS,膀胱浸潤,側方リンパ節転移にて,S状結腸人工肛門造設し,mFOLFOX6を16コース,FOLFIRIを12コース,5-FU+LVを26コース,UFT/UZELを6コース,FOLFOX+BVを2コース,CapeOX+BVを2コース,FOLFIRI+BVを10コース施行後,直腸前方切除術,Hartmann手術施行した.術後,1年5か月で骨盤内再発,右腸骨リンパ節転移,右肺上葉転移を来した.強力な化学療法を希望されず,TS-1を1コース,骨盤内再発巣に放射線照射(40Gy)施行後,regorafenibを開始した.以後,肺転移の一部が空洞化し,また一部,空洞化していない肺転移巣の縮小も認め,治療を継続したが,regorafenib開始32.7か月後,局所再発巣が膀胱に穿通し,以後も再発・転移巣は増大し,regorafenib開始33.8か月後,癌死した.
症例2は65歳,男性,S状結腸癌,腹膜播種にて,S状結腸切除術,D3,R1施行後,FOLFOXを12コース施行したが,術後11ヶ月,肝・肺にそれぞれ単発の転移が出現し,二期的に,肝外側区域切除,胸腔鏡下右肺下葉部分切除を施行した.UFT/UZEL を3コース施行したところ,再手術後5ヶ月で 多発性肺転移が出現し,以後,IRIS+BVを11コース,FOLFOX+BVを12コース,FOLFIRI+BVを13コース施行後,regorafenibを開始した.肺転移巣は一部,空洞化しつつ,縮小していたが,左鎖骨上リンパ節は増大傾向であった.regorafenib を6コース施行したところで心筋梗塞を発症し,以後,TAS-102に変更したが,肺転移は増大,脳転移も出現し,regorafenib開始17.4か月後,癌死した.
当院では,2013年9月から2016年12月まで,14例にregorafenibを使用しているが,全例の生存期間の中央値が4.5ヵ月に対し,肺転移巣の空洞化が見られた2例の生存期間の中央値は25.6ヵ月と著明に延長していた.
【考察】大腸癌肝転移に対し形態学的奏効のあった症例は切除後の再発が少なく,生存率が高いことが報告されているが,肺転移巣でも同様に,形態学的奏効が見られた場合,OSが延長する可能性が示唆され,RECISTによるsizeの評価に加え,形態学的奏効も考慮すべきと考えられた.
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