演題

RAS野生型再発大腸癌に対するCetuximabの経済的な単独隔週療法の試み

[演者] 岩本 慈能:1
[著者] 室谷 健太:3, 築山 郁人:4, 松浦 克彦:4, 小松 俊一郎:2, 石黒 成治:2, 佐野 力:2, 三嶋 秀行:1,3
1:愛知医科大学病院 臨床腫瘍センター, 2:愛知医科大学医学部 消化器外科, 3:愛知医科大学病院 臨床研究支援センター, 4:愛知医科大学病院 薬剤部

〔はじめに〕Cetuximabは,頭頸部扁平上皮癌やRAS野生型の大腸癌において使用されている.用法用量は,初回400mg/m2, 2回目以降 250mg/m2毎週投与である.大腸癌において海外では毎週だけでなく,隔週500mg/m2もガイドラインに記載され使用されている.我々はCapecitabin+Oxaliplatin+Cetuximab隔週投与の臨床試験を国内で実施し報告した(Clin Colorectal Cancer. 2016 Dec;15(4):).大腸癌死亡年齢の中央値は75才以上と高齢であり,今後人口の高齢化とともに,全身状態が良好でない患者に対して,効果と有害事象だけでなく,薬の費用も考慮した経済的な使用方法の開発が重要なテーマになると考えられる.
〔対象と方法〕2015年9月以降,愛知医科大学病院で測定可能病変のあるRAS野生型再発大腸癌に対してCetuximabを単独隔週で投与した9例について後ろ向きに検討した.投与方法は初回250mg/m2, 2回目以降250mg/m2隔週とした.治療を選択した理由は,高齢1例,QOLの優先2例,PSの低下1例,臓器機能の低下5例であった.性別は男性7例,女性2例.年齢の中央値は70歳(38-80歳),直腸6例,左側結腸3例であった.1次治療2例,2次治療以降7例であった.標準的な毎週投与方法との薬剤費用比較,治療前と比較して治療後1ヶ月目のCEA低下率および2週目のLDH低下率についても探索的に検討した
〔結果〕治療成功期間(TTF)の中央値は5.05ヵ月(3.3-9.8ヵ月:3例が治療継続中)であった.抗腫瘍効果はPR 2例,NC 6例,PD 1例であった.皮膚毒性はGrade 1 6例, Grade2 3例, 低マグネシウム血症はGrade2 2例, Grade2以上の消化器毒性はなかった.CEA, LDHが治療開始後1ヶ月以内に10%以上低下した症例は9例中7例であった.Cetuximabの薬剤投与量と薬剤費用(100mg 36920円)は,体表面積1.7m2として,標準的な毎週投与法では1ヶ月間2000mg (初回月2200mg), 738,400円,経済的隔週投与法では1000mg, 369,200円であった.
〔考察〕RAS野生型再発大腸癌に対するCetuximab単独隔週療法は,標準的な毎週治療法と比較して1か月あたりの費用が約半分と経済的である.消化器症状や重篤な皮膚関連の有害事象が少なく,TTFも許容範囲内と考えられ,今後経済的な視点から検討すべき治療選択肢の候補である
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