演題

高齢者における結腸癌術後補助療法としてのCapeOX療法の腎機能に基づく安全性評価(特定使用成績調査結果)

[演者] 山崎 健太郎:1
[著者] 松本 繁巳:2, 今村 知世:3, 山際 千恵美:4, 清水 綾香:4, 田村 崇:4, 吉野 孝之:5
1:静岡県立静岡がんセンター, 2:京都大学附属病院, 3:慶應義塾大学医学部, 4:中外製薬株式会社, 5:国立がん研究センター東病院

【目的】65歳以上の高齢者における結腸癌術後補助化学療法としてのCapeOX(XELOX)療法使用実態下の安全性について腎機能に基づき評価すること.

【対象】以下の1)~5)を全て満たす患者を調査対象とした.1) 65歳以上,2) 結腸癌術後補助化学療法としてCapeOX療法を施行 ,3) 術前の病期がStageⅡまたはⅢ,4)カペシタビン開始用量が2000mg/m2/日(規定投与量),5)重複癌がない

【方法】調査を開始した2015年2月以前にCapeOX療法が開始された患者について,各施設における契約症例数まで順に連続で遡り,投与開始後4コースまでの情報を収集し,後方視的に検討を行った.

【評価項目】Cockcroft-Gault式にて算出したクレアチニン・クリアランス(CLcr)値が50mL/min以上の患者群(A群)と50mL/min未満の患者群(B群)について, Grade3以上(CTCAE v4.0)の副作用発現率,および有害事象による投与中止率を検討した.また,追加検討として投与中止に影響を及ぼす要因(説明変数:性別,年齢,CLcr,体表面積)について,探索的に多変量解析を実施した.
【結果】調査契約を締結した38施設より248例の調査票を回収し,対象基準を満たす189例を解析対象とした.189例のうち,A群は137例,B群は52例であった.平均年齢は,A群は69.2歳,B群は72.8歳であり,女性の割合は,A群は27.0%,B群は63.4%であった.Grade3以上の副作用発現率は,A群が29.1%(95%信頼区間:21.7 - 37.5),B群が42.3%(28.7- 56.7)であった.有害事象による投与中止率は,A群は2.9 % (0.8-7.3),B群は21.1 % (11.0-34.7)であった.また,有害事象による投与中止に影響を及ぼす要因としてCLcr(50 mL/min以上と未満)がリスク因子として抽出された.
【結語】腎機能が低下している患者では,Grade3以上の副作用発現率および有害事象による4コース以内の中止率の高いことが確認された.また,多変量解析においてCLcrが有害事象による投与中止率のリスク因子として抽出された.腎機能は加齢に伴い低下するため,高齢者ではCLcrを評価した上で慎重に投与する必要のあることが再確認された.
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