演題

RS3-171-18-5

大腸癌に対するReduced port surgeryの実際

[演者] 平能 康充:1
[著者] 平沼 知加志:2, 内藤 善久:1, 小林 隆司:1, 道傳 研司:2, 服部 昌和:2, 橋爪 泰夫:2, 春日井 尚:1, 谷口 桂三:1, 藤野 昇三:1
1:帝京大学附属溝口病院 外科, 2:福井県立病院 外科・がん医療センター

【はじめに】Reduced Port Surgery(RPS)を大腸癌に対する標準術式とし,2016年11月までに大腸疾患739例に対して本術式を施行してきた.大腸疾患に対するReduced port surgeryでは,一般的には細径鉗子やinternal organ retractorなどを使用し従来法の術野展開に近づける試みがなされることが多い.当科では,術野展開は術者の左手の鉗子のみで行いトラクションのいらないエネルギーデバイスを使用したone hand surgeryを多用し手術を施行している.当科における本術式の手技を供覧するとともに,大腸癌に対するReduced port surgeryの長期成績に関して報告する.【方法】結腸癌症例では,臍部に約2.5cmの縦切開を置きEZアクセスにトロカールを3本挿入し手術を施行(Pure TANKO).直腸癌に対しては,右下腹部にトロカールを挿入(TANKO+1).手術創を可能な限り減じること,癌の手術のとしての質を担保すること, Solo Surgeryで基本的には行うことという3つのこだわりをもって手術を行っている.【結果】今回長期予後の検討を目的とし2012年8月までに施行したRPS完遂症例150 例で検討を行った.手術の平均切開創長は2.77cm.全術後合併症9例(6%),術後平均在院日数12.9日.平均観察期間60か月での全生存率は StageI~IVがそれぞれ97.6,92.9,88.6,40.9%,無再発生存率は StageI~IIIがそれぞれ90.5,88.1,79.6%であった.またStageIV症例を除いた腫瘍の深達度別の癌特異的生存率は,T1~T3症例は100%,T4が71.1%であった.【まとめ】大腸癌に対するRPSは優れた整容性を有しつつ,深達度がT3までの癌に関しては長期的にも安全に施行可能であった.本術式の有用性に関しては整容性,術後疼痛の軽減,入院期間の短縮等が報告されているが,切開創の縮小による創感染を含めた合併症の減少,執刀医が一人で手術を遂行することによる手術手技の早期習得や定型化の簡便性,それに伴う手術時間の短縮や癌手術としての安全性の担保なども期待できると考えている.今後,T4症例などに対するさらなる治療戦略を考慮する必要があると思われる.
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