演題

RS3-170-18-1

大腸癌に対するReduced Port SurgeryにおけるColon Lifting Techniqueの短期・長期成績

[演者] 藤井 正一:1
[著者] 塚本 充雄:2, 島田 竜:2, 岡本 耕一:2, 端山 軍:2, 土屋 剛史:2, 野澤 慶次郎:2, 松田 圭二:2, 石部 敦士:3, 橋口 陽二郎:2
1:化学療法研究所附属病院 外科, 2:帝京大学附属病院 外科, 3:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター

【背景】単孔式を含めたReduced Port Surgery(以下RPS)は,低侵襲性や整容性から魅力的な術式である.しかし,根治性や安全性の保持のための技術やデバイスの工夫を要することが多い.
【目的】RPSでの視野展開の工夫として,腸管を腹壁に吊上げ固定するColon Lifting Technique(CLT)の手技と成績を供覧する.
【手技】臍部を小切開,単孔式用プラットフォームを装着.右側では回腸間膜,左側では病変近位側10cmの結腸間膜に腹壁より誘導した糸を貫通,腹壁に吊上げて固定する.右側はICA,左側はIMAに緊張が掛り,十分なCounter tractionとTriangulationが得られ内側アプローチによる中枢リンパ節郭清が容易である.湾曲型鉗子の使用により腹腔鏡との干渉を避け良好な視野を確保できる.エネルギーデバイスはVessel Sealing systemがミストの発生が少なく良視野確保および把持・剥離・切離・止血等の様々な処置に対応できるため有用である.腹膜翻転部以下の再建手術ではドレーン留置を要するため,単孔+1ポートで施行している.
【適応】2009年からcT1-2に導入,2013年からcT4aの結腸癌,側方郭清を要しない直腸癌.
【方法】2009-16年のRPS84例を同時期の多重癌,stage4,側方郭清を除外した多孔式腹腔鏡手術(MPS)621例と短期・長期成績を比較した.背景が異なるため,性別,年齢,開腹既往,部位(右側,左側),Stage(0-1:2-3),ASA2以上,術者(技術認定医),経過観察(24か月)を変数とするPropensity score matchingを行った.
【成績】matchingにより各70例を解析した.RPSは単孔56,2ポート12,3ポート2例,MPSは5ポート69,4ポート1例であった.背景に差を認めず.短期成績(MPS:RPS)は出血量57:20mlでRPSが少なかった.開腹コンバートはMPS1,RPS0,RPSのポート追加は2例であった.手術時間185:189分,在院期間15:11日,Grade2以上合併症(%)は22.9:12.9で差がなかった.D3施行(%)(84.3:80.0),郭清リンパ節個数(23:21) で差がなく,病理学的切除断端はすべて陰性であった.長期成績はOS,RFSともに差を認めなかった.
【結語】大腸癌に対するRPSは,CLTの適用により安全性,有効性を認め,標準術式のオプションとなり得る.
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