演題

RS3-169-18-3

単孔式胆嚢摘出術の実際 他領域へのAdvanced Reduced Port Surgeryへむけて

[演者] 朝隈 光弘:1
[著者] 飯田 亮:1, 谷口 髙平:1, 井上 善博:1, 清水 徹之介:1, 廣川 文鋭:1, 林 道廣:1, 内山 和久:1
1:大阪医科大学附属病院 消化器外科

単孔式腹腔鏡手術が登場して約8年が経過した.当科では2009年より開始し現在までに800例以上の単孔式胆嚢摘出術を経験してきた.その有用性や今後の展望について述べる.
[低侵襲性] 傷を全く必要としない手術概念として登場したNOTES研究の延長線上に登場した単孔式手術は,低侵襲性が期待される.当科では単孔式胆嚢摘出術導入時に,従来式腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)との術後疼痛の比較(POD1 VASscore)を行い,有意に単孔式群で疼痛の軽減を認めることを報告した.(Asakuma et al. Br J Surg. 2011 Jul;98(7))他にも同様のRCTがいくつか報告されているが,結果は様々である.その理由として臍の傷のありかたが,使用するポートや,各施設でのやり方が大きく異なっている事が考えられる.我々は臍部を完全に反転し,正確に「臍のへそ」を狙った1.0cmの切開を使用することで,臍部直下の筋膜欠損孔を活用したポート挿入を行っている.結果従来式の時代のカメラ用ポートの創部よりも整容性,疼痛ともに優れていると考える.
[教育]手技の標準化にも取り組み,現在までに44名の様々な経験年数の外科医が術者として合計798例の単孔式胆嚢摘出術を行ってきた.卒後10年目以上でLCの技術がある程度完成している術者8名をA群,10年目以下でLCの経験を有する15名をB群,3年目以下のLC未経験の術者21名をC群とし,その平均手術時間を検討すると,それぞれA群(n=527):82±34分,B群(n=204):106±37分,C群(n=67):119±28分で,各群間に有意差を認めるが,全く胆摘術の経験の無いC群でも2時間以内に手術を終了出来た.
[今後に向けて]腹腔鏡手術は胆嚢摘出術の経験により発展してきた.当然,Reduced Port Surgeryである単孔式胆嚢摘出術から得られた経験も他領域手術に生かされていくと考える.当科では肝胆膵領域の腹腔鏡手術に本手術の経験を生かし,Reduced Port Surgeryを行っている.
[結語]単孔式の導入にあたって改めて腹腔鏡下胆嚢摘出術と正面から向きあい,新たな変更を積み重ねながら現在の形となった.単孔式手術独特の得られたコツなどは,十分に従来式腹腔鏡手術に活かせるものであり,機器の開発とともに今後のReduced Port Surgeryの発展が期待される.
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