演題

RS3-168-18-6

SILS+1ポートによる腹腔鏡下膵体尾部切除術

[演者] 中多 靖幸:1
[著者] 高 済峯:1, 定光 ともみ:1, 富田 理子:1, 竹井 健:1, 切畑屋 友希:1, 松阪 正訓:2, 向川 智英:1, 石川 博文:1, 渡辺 明彦:1
1:奈良県総合医療センター 外科, 2:奈良県総合医療センター 救命救急センター

【はじめに】良性・低悪性度腫瘍に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術(LDP)は標準術式となり,さらなる低侵襲手術へと進化を遂げている.Reduced Port Surgery(RPS)は,整容性に優れた術式であるが,通常の腹腔鏡下手術に比べ,操作の困難性が増す.我々は,整容性と操作性のバランスを考慮して,SILS+1ポートによるLDPを導入した.その手技と成績について報告する.
【方法】2016年6月までに行ったLDP34例のうち,5例に対してSILS+1ポートによる手術を施行した.対象疾患は,良性・低悪性度に対して行い,SCN:1例,IPMN:1例,MCN:1例,p-NET:1例,であった.SILS+1ポートの適応は,整容性に対する患者の希望と,病変の状況による手術の難易度を加味して決定した.手術方法は,OpenMethodにて臍より開腹.その後,ラッププロテクター®(発光)を装着し,E・Zアクセス®(発光)を使用して5mmポートを3箇所挿入(5mmフレキシブル腹腔鏡使用).手術手順は,通常の5ポートLDPと基本的には同様であり,網嚢解放し,胃脾間膜切離.膵を脾臓と共に後腹膜から授動し,膵切離線で脾動脈を処理.膵切離は全例自動縫合器を使用し,十分に時間をかけて切離した.+1ポート部は,自動縫合器挿入,ドレーン孔として利用した.検討項目は,年齢,性別,腫瘍局在,出血量,手術時間,在院日数,術後合併症とした.
【結果】操作の円滑性のために,1例で心窩部に1ポート追加となった.それ以外は,SILS+1ポートで完遂した.年齢は,49.4±15.4(29~76) 歳,性別は,男性:1例,女性:4例,で若年女性に多い傾向にあった.腫瘍局在は,体部:3例,尾部2例.出血量は,22±21.6(0~100) ml.手術時間は,273±59.1(241~323) 分.在院日数は10 (9~12) 日,であった.全例合併症なく経過し,ISGPF:GradeB以上の膵液瘻発生はなかった.+1ポート部は,膵切離の際の自動縫合器挿入とドレーン孔として利用し,腹壁破壊を出来るだけ最小限に抑えられた.操作不良時も1ポート追加のみで,通常のLDPと同様の手技で手術施行が可能であった.
【まとめ】SILS+1ポートは,良性・低悪性度腫瘍に対して整容性に優れ,操作性も問題なく,合併症も少ない安全な術式であると思われた.
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