演題

RS2-108-18-6

腹壁瘢痕ヘルニアに対するReduced Port Surgeryの導入と治療成績

[演者] 平川 俊基:1
[著者] 岩内 武彦:1, 登 千穂子:1, 栗原 重明:1, 王 恩:1, 青松 直撥:1, 森本 純也:1, 中澤 一憲:1, 内間 恭武:1, 竹内 一浩:1
1:府中病院 外科

はじめに:当院では2012年から腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術としてIPOM(intraperitoneal onlay meshrepair)を導入した.漿液腫,再発を経験し,2016年7月からヘルニア門を閉鎖するIPOM-Plusを導入した.また同時期に低侵襲化を求め,正中の腹壁瘢痕ヘルニアに対してReduced Port Suregeryを導入した.その手術手技の供覧と,従来法(Conventional Surgery:CS)とreduced port surgery (RPS) の手術成績を比較し,RPS の安全性と課題について報告する.
対象:2012年11月から2016年12月までに腹壁瘢痕ヘルニアに対して腹腔鏡下手術を受けた13例.RPS群(4例<全例IPOM-plus>)とCS群(9例<IPOM:8例. IPOM-plus1例>)に分類した.
手術手技: ヘルニア門から約10cmの間隔をとり左側腹部2cmの横切開を置く.小開腹法にてEZアクセスを装着し,5mm port 2本を留置する.同側の尾側に2.4mm細径鉗子か5mm portを留置する.5mm フレキシブルカメラで腹腔内を観察し癒着剥離を行う.ヘルニア門の計測にはカテラン針を用いて,皮膚にマーキングを行う.ヘルニア門の辺縁から4-5cmのmarginをとってメッシュをデザインする.EndoCloseTM を用いて,1.5cm間隔に2号モノフィラメント非吸収糸(NovafilTM )でヘルニア門閉鎖を行う.EZアクセスからの大きなメッシュの挿入,その後の展開は簡便である.メッシュの確実な固定および収縮予防のために, メッシュの辺縁は非吸収糸を用いて4針で腹壁全層固定を行う.メッシュ辺縁とヘルニア門閉鎖周囲に2 重にタッキングしメッシュを固定する.タッキングが困難な部位がある場合は,EZアクセスに挿入していた5mmポートを対側に挿入しタッキングを行う.
成績:RPS群と CS群を比較,検討した.RPS群 vs CS群 / 年齢 57 vs 75歳, p=0.03 / BMI 22.3 vs 25.8 kg/㎡, p=0.09 / 手術時間172 分vs 126 分, p=0.07 /出血量 5 vs 12g, N.S /術後在院日数 6 vs 4.7日, N.S
RPS群では合併症を認めなかったが,再発,漿液腫はCS 群で1 例ずつ認められた.
考察:RPS群は手術時間,術後在院日数が延長する傾向があった.背景にRPS群は全例ヘルニア門を閉鎖していたことが影響したと推測されるが,手術時間短縮は今後の課題であると考えられる.短期の成績であるが,RPS群で合併症を認めず安全に施行できると考えられる.
結語:症例を適切に選択する必要があるが,RPS法は安全に施行することができ,術式の一つとなり得ると考えられる.
詳細検索