演題

RS2-108-18-5

当院における腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術-再発ゼロを目指した手技の工夫-

[演者] 岡田 一幸:1
[著者] 本田 晶子:1, 雪本 龍平:1, 斎藤 明菜:1, 小西 健:1, 太田 英夫:1, 横山 茂和:1, 三木 宏文:1, 福永 睦:1, 小林 研二:1
1:兵庫県立西宮病院 外科

2013年に発表されたガイドラインによると,腹壁瘢痕ヘルニアに対する鏡視下手術は,再発率において開腹手術と差はなく推奨されている.当院では2011年7月より鏡視下手術を開始し,34例を経験した.その間にメッシュの脱落によって生じた再発症例に対する手術を経験し,固定時にメッシュが歪まないように手術手技の改良を重ねてきた.当院での最新の術式をビデオにて供覧し,過去の術式からの変更点につき検討する.①1st portは5mmトロッカーを逆McBurney点からoptical法にて挿入している.以前は小開腹法にて12mmトロッカーを留置していたが,optical法の手技が安定してきたこと,12㎜ポートの留置位置を鏡視下にて選択できることから変更した.②ポート位置は側腹部に3ヶ所,その体側側腹部に2ケ所の計5ヶ所に造設している.使用するトロッカーは5mm,5mm,12mmの3個のみであり,適宜5㎜トロッカーを差し替えて使用している.③メッシュはVentralight ST meshを使用し,全周性に5cmはオーバーラップできる大きさのものを選択している.メッシュには予め長軸および短軸ラインをマーキングし,double crown法によるタッキング部位にもマーキングを行っている.メッシュ貼付法はScroll techniqueを採用している.皺になりにくく,歪みが生じにくい方法と考えている.メッシュを長軸が軸になるように両端からコーティング面が内側になるように丸めていき,メッシュが広がらないように両端及び中心部を結紮する.④メッシュは12㎜ポートから挿入し,まずは中心部の結紮糸をEndo Closeを用いてヘルニア門の中心から体外へ誘導し,メッシュがヘルニア門から吊り下げられた状態にする.ヘルニア門の長軸とメッシュの長軸ラインを合わせ,長軸ライン上のタッキングを行う.⑤メッシュの固定糸を切離し,先に遠位側の短軸ライン上をタッキングし,次いで近位側をタッキングする.この時点でメッシュは概ね広がって固定された状態となる.続いて事前にマーキングした部位を順にタッキングする.⑥タッキングは30か所を上限とし,非吸収糸による追加固定を数針併用している.2-0プロリン糸の直針を用いて,腹腔側からメッシュを刺入し,腹壁に全層固定している.腹腔側から固定位置を見極めてから針を刺入することにより,メッシュの皺が極力できないよう心掛けている.当院では1年間にわたり術後フォローを行っているが,現在までに再発症例は認めていない.紹介した手術手技で概ね定型化できたと考えている.
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